ダイナミックさを失う室屋成が繰り返し言った「自分らしさ」を取り戻すには

FC東京の室屋成。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

完敗の清水戦で攻め切る場面はほぼなく、「ゴールに向かう姿勢が足りなかった」。

[J1 28節] FC東京 0-2 清水/2018年9月29日/味の素スタジアム

 FC東京は8試合勝利がなく、一時は2位につけていたものの順位を5位にまで落とした。森保一監督の初陣となった日本代表のコスタリカ戦にも出場した右SB室屋成は清水エスパルス戦のあと、唇を噛みしめながら自身とチームの課題を挙げていった。

「なかなか点が入らない時間でも、これまではチームとして我慢できていたが、あっさり失点してしまっている。攻撃に関しても、もっともっと人数をかけて、ゴールに向かっていく姿勢を出していかなければいけないが今日は少し足りなかった気がします。そこは改善して、ピッチでそういう姿勢を見せなければいけない」

 チームとして狙う一つの形。室屋の豪快なオーバーラップからの切り崩しも見せられなかった。

「上がるチャンスは少なかったですし、もっと自分も攻撃参加して、チーム全体を押し上げるような動きが必要だったので、やっぱり悔しいです」

 今週には10月シリーズに向けた日本代表メンバーが発表される。室屋は再び招集されるだろうか。

 サイドバックは人材が不足気味であり、ロシア・ワールドカップのレギュラーである長友佑都、酒井宏樹らに挑んでいくためにも、まず室屋がFC東京のこの状況を打開しなければならない。

「この状況を変えられるのは自分たちだけ。戦う姿勢とか、そこから変えていかないといけない。そのためにも、自分らしさを出していくことが大事だと思っているので、そこはブレてはいけない。まずこのチームでしっかり個人的にも結果を出さなければいけないし、その先に代表がある。このチームでもっともっともいいパフォーマンスを出さないといけない」

 室屋は「自分らしさ」という言葉を繰り返し強調していた。

 ただ、チームとしても個々の特長を引き出し合えずにいるところに課題はある。右サイドで攻撃が手詰まりになるシーンも何度か見受けられた。観ているほうも歯痒かっただけに、プレーしている本人はなおさらだろう。

 チームの好調時のように室屋のダイナミックな攻め上がりをチームの武器として引き出していくのであれば、左サイドで一旦しっかり貯めて試合を組み立てて展開するなど、具体的な対策も立てたい。

 決して選手たちは手を抜いていない。しかし、それぞれがそれぞれ何とかしようとして、何となくプレーしている印象を受けた。そんな必然の清水戦の完敗だった。好調時はチームを活性化させてきたダイナモの室屋が元気を取り戻さなければ、FC東京は再び上昇していけない。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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