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0-2でも諦めなかったカシマファミリー。内田篤人は胸を張った「やっぱりサポーターの後押しだね」

水原三星との準決勝第1戦で勝利を収めた鹿島の内田篤人。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ロシアW杯を例えに出し、「負け試合だった。2-0から日本のミスでベルギーに敗れたように」。

[ACL 準決勝 1st] 鹿島 3-2 水原三星/2018年10月3日/県立カシマサッカースタジアム

 立ち上がりの2失点に面食らった。ただそれでも、「一旦しっかり守ろう」と内田篤人は守備陣に声を掛けたという。「相手もカウンターを狙っていたから」と、改めて最近の鹿島の好調な戦いを取り戻すように、守備から攻撃のリズムを作るように意思統一を図った。

 内田は2点差をつけられたときの心境を語る。

「普通、2-0になったらひっくり返されない。だから、そこは韓国(水原三星)のミス。ミスに助けられた。(ロシア・ワールドカップでは)日本のミスでベルギーは勝った。2-0は、普通だったら負け。それでもウチは負けなかった。勝ち癖がついてきていることでもある。それに……」

 内田は想いを込めて言った。

「やっぱり、サポーターの後押しだよね。ここ(カシマスタジアム)に入ってくるとき、みんなの後押しをしてくれる姿を見て、感じるものが選手としてあった」

 スタジアムに入るとき、たくさんの大旗が振られ、旗を掲げてバスとともに並走するサポーターもいた。1万3044人。初のACL準決勝としては、決して多いとは言えないかもしれないが(一方で十分多いという声も)、内田は心に期するものを感じたという。

 そして鹿島の背番号2は後押しを力に変えて、意地のゴールを決めた。

 それは内田にとっても転機になるのか。「まだ半分終わっただけ。何も決まっていない」と語る一方で、望みをつないだことをポジティブに捉えていた。

「個人としては、そんなに良くなかった。ミスもあった。1点取れただけ、と言えばそんな感じでもある。でもまあ(チームとして)……大きいんじゃないかな、次につながっていくから。いいんです、別に1点取ろうが、やっぱりDFだから無失点のほうが良かった」

 あくまでも個人的な2014年の日本代表戦、リーグ戦では2013年のUEFA欧州チャンピオンズリーグでのブカレスト戦以来となるという「記録」はどうでもよく、チームとして決勝進出に向けてアドバンテージを持てたことを喜んでいた。

 3-2での1点リード。2-0でアウェーに向かった準々決勝の天津権健戦とはまた異なるシチュエーションになる。鹿島が一歩リードして、水原三星との第2戦――後半の90分間に臨む。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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