【東アジアE-1選手権】度重なる負傷を乗り越えてきた岩渕真奈が、なでしこジャパンの真の中心選手になる

なでしこ

サカノワスタッフ

岩渕にとって、東アジアE-1選手権はひとつのターニングポイントになるかもしれない。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

24歳になり、彼女を背中を見つめる後輩も増えてきた。東アジアE-1選手権がターニングポイントになるか。

[東アジアE-1選手権]日本-韓国/12月8日18:55/フクダ電子アリーナ

岩渕真奈――。彼女ほどケガに苦しめられてきた選手はいない。

アンダー世代から注目され、17歳の若さでなでしこジャパンに選ばれた。ドイツの名門バイエルン・ミュンヘンへの移籍も果たした。彼女の特長は何といってもドリブルだが、相手の危険なタックルにあい、それでも自分より大きな相手に堂々と立ち向かい、そのプレーの積み重ねが岩渕の故障の原因にもなっていった。

これまでの重要な大会では、膝のケガを抱えながら戦ってきた。疲労骨折に始まり、内側と外側の靭帯……いずれも損傷から断裂まで経験した。完治させるために今年4月に帰国を決意し、現在はINAC神戸でプレーしている。

どれだけ傷ついても、痛みに苦痛を伴っても、彼女は大好きなドリブルにこだわりを持って挑戦し続けた。そして体の管理や改善にこれまで以上に取り組み、ようやく思い切ってプレーできるまでに復活した。

なでしこジャパンでの岩渕の立ち位置はスーパーサブだった。周りの先輩選手からお膳立てをしてもらいながら成長してきた。ただ、”いいリズムを生む”ものの”決定的な仕事はできない”という印象をなかなか拭えずにいた。逆に、もっと活躍できるはずだと常に期待を抱かせてきた選手のひとりだ。

世代交代が進むなでしこジャパンで、24歳になった岩渕の立ち位置は変わってきた。多くの後輩が彼女の背中を見て、何かを得ようとしているのだ。東アジアE-1選手権の直前に行われたヨルダン遠征では、岩渕のプレーにはチームの中心選手としての自覚が滲み出ていた。前線で誰よりも早くプレスをかける姿に、フォローしようとボランチの守備ゾーンまで戻る姿に、そして果敢にシュートへ持ち込もうとする姿に、すべてのプレーにこれまでにない責任感が感じられた。その結果、日本のすべての得点(2ゴール)を岩渕がもたらした。

「タイトルを獲りたい! この大会でどれだけできるのか、それがこの先につながると思っています」

岩渕はそうタイトルを欲する。なでしこジャパンは今、様々な特長を持つタレントが揃いながら、互いを上手く生かし合えないジレンマを抱えている。岩渕ならば、きっとこの現状を打破するキーマンになれる。その10代の頃とは異なる熱いハートとこだわってきたドリブルで――突き抜けろ。

文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA

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