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【WEリーグ】宇津木留美が12年ぶり日本復帰、「アメリカでは“小さい選手”だったので…」。女王ベレーザ復活へのキーパーソンに

ベレーザの宇津木留美。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

ベンチ、ピッチ、ロッカー…どんな立場からでも、ポジティブな活力をもたらす。

 日テレ・東京ヴェルディベレーザの元なでしこジャパン宇津木留美がWEリーグ元年、12年ぶりに日本のピッチに戻ってきた。これまでリーグ5試合に出場。最近では大宮アルディージャVENTUS戦で初先発&今季最長45分間、そして首位INAC神戸レオネッサ戦でも後半途中から出場機会を得た。

 カテゴリー別代表を常に飛び級で経験し、16歳でなでしこジャパン入り。2010年に当時の日テレ・ベレーザからモンペリエFSC(フランス)、シアトル・レイン(アメリカ)と海外でのキャリアを歩んできた。

 2019年のワールドカップ以降、目標を見失いサッカーができなくなった時期もあった。暗闇だったという1年を経て、古巣であるベレーザでの再スタートを決めたのが昨年のことだった。フィジカルをしっかりと戻し、12節のAC長野パルセイロ・レディース戦で、まずWEリーグデビューを飾った。

 大宮戦ではスターティングメンバーに名を連ね、チームの4連勝に貢献した。

「アメリカのチームでは私は“小さい選手”だったので、スペースがないなかでプレーしていました。今日はもう単純にグランドって広い! と感じたのがすごく新鮮でした」

 もっと熱いプレーをしようよ! というメッセージをプレーで何より選手たちに伝えたいと語っていただけに、彼女のプレーは有言実行。攻守に置いて対峙する選手とのデュエルは闘志が漲っていた。

「1対1のところでは守備の人間としては負けられないと思っていたので有利に運んでいきながらも攻撃につなげられなかった反省点はあります」と課題も口にしたが、その熱はチーム全体に伝播している。サッカー勘やコンディションはこれからどんどん上がってくるだろう。

「全試合点を取りに行きたいという気持ちはあるんです(笑)。もちろんチームでの決めごとも自分の立ち位置もあるんですけど、個人的には毎試合点を狙っています!」

 左サイドバックがメインポジションとなっているが、そこからどのように得点に絡んでいくのかもテーマになる。

 ホームで1位INAC神戸レオネッサを迎えた首位攻防戦、宇津木は63分に投入されたが、チームは1-3で敗れた。9ポイント差に開き、残り試合を考えると、優勝は非常に難しい状況に追い込まれてしまった。

 宇津木とともに、ここからどのように名門は復活を遂げるのか――。彼女のメンタリティはベンチ、ピッチ、ロッカー、どんな立場からでも、ポジティブな活力をもたらす。シーズン終盤、宇津木の存在がより重要になってきそうだ。

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[取材・文:早草紀子]

Posted by 早草紀子

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