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これは酷い。鹿島ACL中東決戦4日前にJ1柏戦が組み込まれる

鹿島アントラーズがACL初の決勝進出。しかし待っているのは超過密日程だ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

今季のACL決勝第2戦の「アウェー開催」は当初から決定していたにもかかわらず。

 鹿島アントラーズが初のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝進出を果たした。対戦相手はイランの首都テヘランを本拠地にするペルセポリスだ。

 ファイナルの日程は、11月3日がホームのカシマスタジアム、そして10日がアウェーで日本とは時差5時間30分のテヘランで大一番を迎える。

 ところが、決勝進出に伴い、当初11月10日に予定されていたJ1・32節の柏レイソル戦も変更に。11月6日水曜日のナイターゲームとして組み込まれた(決勝進出の場合、J1開幕時には決定していたもの)。

 鹿島の日程を整理しよう。

 10月31日J1・31節セレッソ大阪戦/ホーム(中2日)11月3日ACL決勝・ペルセポリス戦/ホーム(中2日)11月6日J1・32節柏レイソル戦/アウェー(中3日)11月10日ACL決勝・ペルセポリス戦/アウェー

 Jリーグを代表してアジア王者になるため最後の舞台に立つというのに、帳尻合わせように、超過密日程が組まれているのだ。鹿島は来季ACL出場権を獲るために、Jリーグでも落とせない戦いが続く。このクライマックスを迎えたタイミングで、一番肝心なチームのJリーグ平日開催が組まれるとは……。

 鹿島は決勝直後に柏戦に向かう。さらに6日はナイターのため、7日は移動日に充てられる。実質8日のみ調整に使えて、9日に前日練習、そして10日に決勝第2戦を迎える。ただでさえ厳しいスケジュールであるのだが、なおかつ選手たちの肉体的な疲労の蓄積も相当なはずだ。

 もちろん、ワールドカップイヤーだったために、今季はあくまでも特例である。昨季は浦和レッズが決勝に万全の態勢で臨めるように配慮されていた。また今年は9月から11月の日本代表シリーズも影響した。32節の対戦相手が鹿島から近距離と言える柏だというのも、少なからず配慮が感じられる(ACL予備選から臨んだ柏にも決勝進出の可能性はあった)。

 とはいえ、ACL決勝の第2戦が西地区のアウェーゲームになることは決定していたことだ(東地区と西地区でローテーションされている)。第1戦のあと、ほとんどヨーロッパに近い時差のある中東で試合が行われることは把握していたに違いない。国内やアジア東地区での試合とは異なる。鹿島もここでこそ、万全を期したかったはずだ。

 これではJリーグは、Jリーグクラブが決勝進出しないことを前提にスケジューリングをしていたと言われても仕方ない。村井満チェアマンが「Jリーグからアジア王者を」と方針を打ち出しながら、最も肝心なときに最大限のサポートをし切れない状況を生んでしまった。

 内田篤人は「過密日程とか、周りからは言われているようだけれども」と語っていた。鹿島の選手たちは、日程を言い訳にはしない。そこに逃げ道を作ることは絶対にしない。

 日本協会との兼ね合いもあったはずだが、Jリーグや日本協会はそんな選手たちのためにも、思い切った策を取れなかったのだろうか(Jリーグの前倒し開催など)。J1チームが加わる「J1・J2プレーオフ参入戦」を今季組んだことで「12月1日最終節」をずらせなくなるなど足枷になり、その導入のタイミングも悪かったと言わざるを得ない。その発言をした内田をはじめとする多くの鹿島の選手たちの負傷離脱は、やはり過酷日程も影響している。

 追い打ちをかけるように、鹿島がACL優勝と天皇杯ベスト4進出を果たした場合、クラブワールドカップ(CWC)との兼ね合いで、12月9日に天皇杯決勝が組まれることも発表された。

 来年からACL決勝は、UEFA欧州チャンピオンズリーグのように1回戦制になることが提案されている。

 それだけにもしかすると最後になるホーム&アウェー制で……。1週間のインターバルさえ設けることもできなかったのか。

 昨年の浦和レッズに続くJリーグ勢のACL2連覇へ――。鹿島はこれまで王者になってきたチームとはまた異なる過酷なシチュエーションで、アジアの頂点を目指す。

文:サカノワ編集グループ

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