【浦和】埼スタ問題、「10億2000万円」の損害賠償が必要。芝生に加え観客席や機械設備も同時期に工事
埼玉スタジアムで行われたACL準決勝の浦和対全北現代戦。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
クラブが埼玉県からの報告を引用。延期は現実的に難しく。
J1リーグの浦和レッズは10月13日、芝生改修のため埼玉スタジアムで来年2月26日のACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)決勝が開催できない問題について、5回目の経過報告を行った。延期する場合、現時点で計10億2000万円以上計上されている工事などの損害賠償費用などが発生するという。また芝生のみならず、同時期に観客席や機械設備などの工事が予定されていることも今回報告されている。総合的に見て、工事延期はほぼ不可能な状況にあるようだ。
クラブ公式サイトでは過去4回報告がされてきたが、工事延期について、クラブ代表者名での「公式」な要請はしていなかったことが判明。今月に入り、正式に要請を行った。
それを受けて、今回、埼玉県からの回答の一部が引用されている。来月の工事着工を控え、ほぼ準備ができているため、ここからの延期は厳しいという内容だ。
芝生育成業者は次の業務も決まり、仮に延期する場合、順調にいっても2024年11月になるという。となると地温コントロールシステムの老朽化、芝生の悪化など、また大きな問題になってくる。
芝生張り替え業者はすでに機材やスタッフなど、工期の7割分を確保。今回同時に実施する観客席や設備などの工事にも影響が出るという。
延期する場合、育苗費用の約1億5000万円、芝生張替工事の約2億9000万円、芝生の県立高校での利活用の約1200万円、観客席・機械設備などの工事の約5億7000万円、それら計10億2200万円の中断に伴う損害賠償が請求されるということだ。
クラブは「今回の埼玉県からの回答を受けまして、現在、クラブ内で今後の対応について協議しております」と報告している。
浦和はJFA(日本サッカー協会)、Jリーグを通じて、AFC(アジアサッカー連盟)にACL決勝の開催延期も打診している。ただし、西地区は2月に決勝トーナメントから決勝1回戦まで集中開催する日程を組んでいる。一方、ACLは2023-24シーズンから、秋春制への移行が決定。確かにその移行を前に、ファイナルのみをテスト的に春開催にするのは一案かもしれないが……。
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