【ドイツ発コラム】どこか阪神ファンに似ているバイエルンのサポーター。アリアンツ・アレーナで撮影していると背後から…
ムシアラが完全復活! (C)Midori IKENOUICHI
ムシアラが完全復活! 町野修斗の“生忍者ポーズ”も期待していたが――│FC BayernとMunichに恋して
春の陽気となったドイツ・ミュンヘンでは、ママチャリでアリアンツ・アレーナへ通うのも気持ちのいい季節になってきました。
アリアンツ・アレーナに入るまで、メディア関係者は2度のセキュリティチェックを受けます。警備員の方々にも、私がママチャリで通っていることはすっかり知られていて、「今日もママチャリか?」とあちこちで声を掛けられます(笑)。
この日はブンデスリーガ第25節、FCバイエルン・ミュンヘン対ボルシア・メンヒェングラートバッハの試合でした。グラートバッハといえば、忍者ポーズで知られる町野修斗です。もしかしたらアリアンツ・アレーナで“生忍者ポーズ”が見られるかもしれないと、試合前から楽しみにしていました。
ただ、バイエルンの伊藤洋輝とグラートバッハの高井幸大はケガで離脱中だったため、日本人対決は実現しませんでした。
スタメン表が配布されるのは試合開始の約1時間前です。それまではピッチの撮影場所を確保したり、ケータリングを食べたりしながら待っています。
バイエルンのハリー・ケインは前戦でふくらはぎに打撃を受けたため、大事を取って欠場しました。マイケル・オリーズやアレクサンダル・パヴロヴィッチもベンチスタートとなりましたが、ジャマル・ムシアラは先発に名を連ねました。町野はベンチからのスタートです。
この日はバイエルエルンの0歳から13歳向けファンクラブ「キッズクラブ」の会員数が、アリアンツ・アレーナの収容人数と同じ7万5000人に到達しました。これを記念し、試合前の選手紹介ではキッズクラブの幼稚園児から小学校低学年の子どもたちが選手名をコールしました。可愛らしい声がスタジアムに響き、大きな拍手が起こっていました。
ヨシュア・キミッヒ、マヌエル・ノイヤー、ルイス・ディアス、ムシアラら主力が先発していたものの、この日のバイエルンのスタメンは全体的にBチーム色の強い構成でした。攻撃は積極的に仕掛けるものの、連係不足からパスミスが続き、なかなか得点につながりません。
バイエルンのサポーターはどこか阪神ファンに似ているところがあります。私たちが写真を撮っている背後からは、ため息やボヤキが聞こえてきて、時には辛辣な言葉も聞こえてきました。
それでもルイス・ディアスが先制点を決めると、コンラート・ライマーが2点目を追加し、少しずつ試合の流れはバイエルンに傾いていきました。
GKノイヤーは左ふくらはぎに軽度の肉離れを起こし、ハーフタイムでヨナス・ウルビッヒと交代しました。先日復帰したばかりでしたが、3月10日のUEFAチャンピオンズリーグ、アタランタBC戦への出場は難しい状況となりそうです。
グラートバッハのロッコ・ライツが退場となった後、PKを任されたのはムシアラでした。長期離脱から復帰しての初ゴールとなり、ソールドアウト7万5000人の観客とチームが一体となって歓喜に包まれました。
後半61分には町野がピッチに入りました。積極的にシュートを放ちましたが、バイエルンの守備に阻まれ、この日は忍者ポーズを見ることはできませんでした。
この日はバイエルンの17歳MFマイコン・カルドソも後半から出場し、トップチームデビューを果たしました。ブラジル出身の若手で、名前がアナウンスされた際には観客席から「誰だ?」というような雰囲気もありましたが、懸命にピッチを走り回っていました。
交代の際にはルイス・ディアスが駆け寄って両手を握り、試合後には先輩選手たちがハグをして頭をなでるなど、チームメートからとても可愛がられている様子が印象的でした。今後の活躍が楽しみです。
試合は4-1でバイエルンが勝利しました。ムシアラは長期離脱後初のフル出場でゴールも決め、完全復帰を印象づけました。
また、キミッヒが交代する際にはムシアラにキャプテンマークが託されました。短い時間ではありましたが、ムシアラはバイエルン史上最年少でキャプテンを務めました。少し驚いた様子ながらも、うれしそうな表情が印象に残りました。
この日はミラノ・コルティナ冬季パラリンピックの開会式に合わせ、試合後にはアリアンツ・アレーナがドイツとイタリアの国旗をモチーフにライトアップされていました。とてもフォトジェニックな光景で、試合の余韻をさらに印象深いものにしていました。




