【なでしこ】受け継がれるキャプテンシー、長谷川唯「本当にいいチーム」熊谷紗希が支えたアジア制覇
長谷川唯(14番)から託されたアジアカップを掲げる熊谷紗希。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
試合よりも高かった紅白戦での強度
[女子アジア杯 決勝]日本代表 1-0 豪州代表/2026年3月21日18:00(日本時間)/アコースタジアム
AFC女子アジアカップ決勝、なでしこジャパン(日本女子代表)は浜野まいかのミドルループ弾によるゴールを守り切り、オーストラリア女子代表に1-0で勝利。2大会ぶりの優勝を果たした。
優勝を告げるホイッスルが鳴ると、熊谷紗希は両手を突き上げて拳を握りしめた。7万4000人を超える大観衆に包まれた完全アウェーのなか、なでしこジャパンはオーストラリアの猛攻を最後まで凌ぎ切り、有言実行のタイトルをつかんだ。
センターバックでフル出場した熊谷はサム・カー、ケイトリン・フォードら世界屈指のアタッカーと冷静に対峙。最終ラインを統率し、激しいデュエルを制しながらピンチを跳ね返し続けた。
キャプテンマークは長谷川唯が巻いているが、熊谷の大きな存在感は変わらない。先制に成功した直後、歓喜の輪を修正の場へと変えた姿が象徴的だった。
長谷川もこう語る。
「ただ“キャプテン”が変わっただけ。紗希ちゃん(熊谷)が今まで作り上げてきたものがそのまま残ってる本当にいいチーム」
その関係性は表彰式にも表れた。長谷川がカップを掲げたあと、それを受け取った熊谷が再びチームの中心でトロフィーを掲げた。
今大会、なでしこジャパンの全員が「優勝するために来た」と言い続けてきた。その価値について熊谷はこう語る。
「4年前もアジアのタイトルを獲る! って思っていた。ただ、今大会はこれだけ世界で活躍している仲間たちが集まって、普段のみんなの活躍、上手さや強さを感じる。さらにアジアの他の国の戦いをいろいろ見るとやっぱり日本が勝たなきゃいけないと思っていたんです」
ニールセン体制では初めて長期のキャンプを経て、この大会に臨んだ。グループステージでは大会最多28得点、失点1と数字を残したものの、実力差のある試合が多かったのは事実だ。だからこそトレーニングの質が問われていた。
熊谷はこう明かしている。
「今大会は正直、(試合よりも)紅白戦が一番強度がある状態。練習でいかに自分たちが高め合えるかが勝負になってくる」
その積み重ねが、この決勝での粘りにつながった。
オーストラリアの猛攻に、守備陣は身体の向き、コースの限定、距離感といった細部まで徹底した。最後は5バックにして、危険なセットプレーでも集中を切らさなかった。
「苦しい状況の中で勝ち切る強さが足りない」としてきた課題に対し、この試合はひとつの答えとなった。
アジアカップ屈指の高強度となった決勝は無失点で制した。今大会のそのゴールの多さ以上に、なでしこジャパンの成長を示す勝利=タイトルとなった。
photos and text by Noriko HAYAKUSA




