なでしこJ通算100試合の節目。熊谷紗季は「知らなかった」
ノルウェー戦の先発メンバー。(上段左から)山下、鮫島、宇津木、熊谷、市瀬、清水。(下段左から)中島、岩渕、横山、三浦、長谷川。熊谷にとって記念すべき通算100試合目に。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
親善試合のノルウェー戦で達成。「いろんな方たちに感謝したい」。
[女子国際親善試合] 日本 4-1 ノルウェー/2018年11月11日/とりぎんバードスタジアム
なでしこジャパン(日本女子代表)の熊谷紗季(オリンピック・リヨン)が11月11日の親善試合ノルウェー戦で、同代表通算100試合出場を達成した。
女子代表100試合は通算13人目。鮫島彩もインドネシアで開催されたアジア大会の北朝鮮戦で到達。ノルウェー戦後には記念のセレモニーが行われ、二人に背番号「100」のユニフォームが高倉麻子監督から贈られた。
熊谷は100試合出場について、「知らなかったです。そうなんだ……と。ただ、誰もができるわけではないので、そこは本当に嬉しくて、色んな方たちに感謝したいです。その気持ちはすごくあります」と語った。
一方、4-1で勝利を収めたノルウェー戦に話を振ると、「自分たちが主導権を握る時間が多かったですけど、失い方が良くない場面がけっこうありました。今回は相手のコンディションが万全ではなかったこともあり、カウンターも最後のところで大事に至りませんでした。そこは今後世界を相手に戦っていくうえで、気を付けてなければいけません」と、課題を挙げて気を引き締めた。
「そのなかで前半2点、後半2点と、いい時間帯に獲れたのは良かったと思います。あとはセットプレーの練習はもっともっとやっていかないといけない」と、日本の武器でもあるキック精度を生かした攻撃を課題に挙げていた。確かにワールドカップの舞台であるフランスは、ピッチ状態もよく、パスやキック、それに日本の技術はより生きそうだ。オリンピック・リヨンでプレーする熊谷の言葉だけに重みもある。
キャプテンとしてもチームをまとめてきた。先月28歳の誕生日を迎えた熊谷は、若手とベテランをつなぐ存在でもある。
「世代融合と言うほど大げさではなく、それぞれが自分たちの良さを出していくだけです。チーム内での競争がチーム力になり、私もですが、そういう競争がもっとできれば、もっと楽しくなるかなと思います」
『世代』はあまり関係なく、純粋に能力の高い個が集結するのが、なでしこジャパン。熊谷も自信と危機感を持ちながら、ここまでキャリアを積み上げてきた。100試合はあくまでも通過点。これからまた新たなタレントと触発し合い、高め合えることを楽しみにしていた。
文:サカノワ編集グループ