トランプ大統領がFIFA会長を全面擁護「彼を代えるのは、とんでもない過ち」。インファンティーノ氏への辞任圧力を巡り

北中米W杯抽選会での米国トランプ大統領。(Photo by Hector Vivas - FIFA/FIFA via Getty Images)

UEFA、AFC、北中米カリブ海連盟が異例の共同声明。「欺瞞によって信頼が壊された」

 国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長を巡り、ドナルド・トランプ米大統領が「彼を代えるのは、とんでもない過ちになる」と全面的に擁護した。イギリスメディア『BBCスポーツ』が8月11日に報じた。

 インファンティーノ会長を巡っては、FIFAが計画していた「FIFAフォワード・エンタープライズ(FIFA Forward Enterprise=FFE)」構想が大きな問題に発展。ワールドカップ(W杯)を含むFIFA主催大会の商業権やチケット販売権を管理する新会社を設立し、その21パーセントを民間投資会社に売却するというものだった。

 しかし、その過程を巡り、欧州サッカー連盟(UEFA)などが猛反対し、計画は撤回された。さらにUEFA、北中米カリブ海サッカー連盟(Concacaf)、アジアサッカー連盟(AFC)は共同で公開書簡を発表し、インファンティーノ会長を念頭に「欺瞞によって信頼が壊された」と厳しく批判した。

 そうしたなか、トランプ大統領がインファンティーノ会長を擁護した。

「FIFAが何らかの理由でジャンニ・インファンティーノ会長の交代を検討するのであれば、とんでもない過ちを犯すことになる」

 トランプ大統領は自身のSNSでそう主張。さらに今夏、アメリカ、カナダ、メキシコで開催された北中米W杯について触れ、次のように続けた。

「彼は素晴らしい。これまでで最も成功したワールドカップを、従来の4倍もの規模で成功させたばかりだ。彼がいなくなれば、これほど成功し、利益を上げることは二度とできないだろう」

 トランプ大統領とインファンティーノ会長は近い関係にある。インファンティーノ会長は2025年12月、創設されたFIFA平和賞をトランプ大統領に授与している。

 一方、FFEへの投資家グループを主導すると見られていたのが、アメリカのベンチャーキャピタル「Thrive Eternal」だった。そのThriveは、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏の弟、ジョシュア・クシュナー氏が設立した企業だという。

 ただしトランプ大統領は7月31日、FFE構想について、インファンティーノ会長とは話をしていないと説明していた。

 UEFAはFFE問題を受け、FIFA主催大会のボイコットや法的措置に踏み切る可能性を示唆。さらに共同書簡では、インファンティーノ会長の名前こそ明記されていないものの、「欺瞞によって信頼が壊され、権限を託した集団より個人を上に置いた時、その責務は放棄された」と指摘した。

『BBCスポーツ』によると、関係筋はこの声明について、インファンティーノ会長に「尊厳を保ったまま辞任する機会」を与える意味合いがあると説明しているという。

 また、インファンティーノ会長が続投した場合を想定し、UEFA、Concacaf、AFCの間ではFIFAとは別の大会を立ち上げる可能性について予備的な協議も行われたという。ただし、現時点で本格的な話し合いには至っていないとされる。

 世界のサッカー界を揺るがすFIFAと各大陸連盟の対立。その渦中にいるインファンティーノ会長を、トランプ大統領が強力に擁護する形となった。

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