久保建英、三笘薫ら日本人選手は欧州への「輸出産業」に。なぜ韓国を上回った!? スペイン紙が分析

三笘薫 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

北中米W杯を経て「エキゾチックな賭けではなくなった」。欧州1部リーグでプレーする日本人は約100人に。

 サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)の久保建英、三笘薫、鈴木彩艶ら日本人選手の活躍を受けて、スペイン紙『マルカ』は8月8日、アジア人選手を巡る欧州サッカー界の変化について特集した。

 かつて欧州主要リーグでのアジア人選手は極めて限られ、その獲得はある意味で「エキゾチックな賭け」だったと振り返る。しかし現在は状況が一変し、欧州のクラブは南米やアフリカだけではなく、アジアにも積極的にスカウト網を広げている。

 なかでも日本は独自のルートを築いてきたと分析している。

『マルカ』によると、欧州各国の1部リーグでプレーする日本人選手は約100人に達している。さらに北中米ワールドカップ(W杯)に臨んだ日本代表26人のうち、23人が欧州クラブに所属していた。

 同メディアは「韓国が厳選された逸材を送り込む一方、日本は産業的な手法を構築した」と指摘。UEFAのデータとして、2020年から2025年までに276人の日本人選手が欧州へ渡ったと紹介している。

 その理由の一つが、何よりピッチ上での評価だ。戦術面での規律、プロフェッショナルとしての姿勢、異なる環境への適応力に加え、現在の欧州サッカーがよりテクニカルになったことも、日本人選手の特長とマッチしていると見る。

 その象徴的な存在として挙げられたのが、レアル・ソシエダの久保だ。

 25歳のレフティについて『マルカ』は、ラ・リーガ屈指の違いを作り出せる選手として評価。久保自身が欧州で成功するために、言語を身につけ、その国の文化に溶け込むことが重要だと語ってきたことも取り上げている。

 また、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの三笘も、日本人選手の価値を高めた代表的な存在に挙げられた。さらにパルマ・カルチョ1913の鈴木、ASモナコの南野拓実、そしてボルシア・ドルトムントで一時代を築いた香川真司らにも触れている。

 ただし、欧州クラブが見ているのはピッチ上の価値だけではない。

 久保や三笘といった日本代表クラスを獲得することは、アジアでの放映権、ユニフォーム販売、日本企業のスポンサー獲得など、新たな商圏への入り口にもなると同メディアは分析する。

 その先駆けとなったのがドイツ・ブンデスリーガだ。日本人選手を積極的に受け入れ、長谷部誠らの築いてきた高い評価が、次に欧州へ渡る選手たちにとっての“パスポート”になっていると見ている。

 さらに現在、その市場は日本と韓国だけにとどまらない。マンチェスター・シティに所属するウズベキスタン代表DFアブドゥコディル・フサノフなど、欧州クラブのスカウト網は中央アジアにも広がっている。

 北中米W杯も、その流れを加速させるショーケースになった。

『マルカ』は、アジア市場について、もはや夏の移籍市場における一時的な流行でも、東京やソウルでユニフォームを販売するためだけの戦略でもないと指摘する。

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 日本からヨーロッパへ――。かつては一部のトップ選手に限られていたルートが、若いタレントを継続的に送り出す「輸出産業」へと変わりつつあるというのだ。