【浦和】曺貴裁監督が説く「一矢」の重要性。ポゼッション+新たな武器「10秒以内で相手を崩し切る」
浦和は今季初の無失点に抑えた。宮本優太はリーグ戦を含め全試合先発のフル稼働。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI
「持つチームか、来るチームか、引くチームかで変わってくる」。相手に応じた“顔”を増やす
[天皇杯 2回戦]浦和 3-0 山梨学院大/2026年8月26日19:00/浦和駒場スタジアム
天皇杯2回戦、浦和レッズ(J1)が山梨学院大学(山梨県代表)に3-0の勝利を収めた。オナイウ阿道が2ゴールを決め、さらにレッズでの公式戦デビューを果たした片山瑛一が1得点・2アシストと活躍した。
浦和の曺貴裁監督は試合後の記者会見で、まず結果について「PK戦を含めて勝つことが最大の目標で、そのミッションを果たせて、次へ向かうパワーを得られました」と振り返った。
これまで出場機会の限られていた選手がチャンスをつかみ、そうした新たなタレントが得点に絡んだことを評価。そのうえで、29日にホームで迎えるJ1リーグの横浜F・マリノス戦での“必勝”を誓い、気持ちを切り替えた。
また、この一戦で浦和での公式戦初先発を果たした瀬古樹についても言及。イングランドから日本に戻り、厳しい暑さへの適応が求められる状況を踏まえながら、そのパフォーマンスを評価した。
「イギリスから帰ってきて、日本の暑熱への対応が課題でした。2対3、3対4で守っているような感覚のなかで守らなければいけないような暑さであり、(山根視来とともに)慣れてくれば、もっとパフォーマンスは上がってくると思います」
そして曺監督が力を込めたのが、浦和の攻撃に必要な新たな「一矢」についてだった。
ハイプレスを一つの特徴とする一方、浦和はボールを保持しながら相手を動かす時間も作れる。曺監督は、昨季の浦和がボールを奪ってからシュートに至るまでに時間を要していた点を課題の一つとして挙げた。
「一番最初、ボールをゲインしてから、一番時間がかかるチームだということを選手たちには説明しました。それを良さだとして続ければ、10秒以内ではゴールできない。とううことは相手を崩し切れないことと、点が入らないことはイコールです。そことこちらで(相手との関係性で)、としていけるのが強いチームです」
もちろん、時間を掛けて相手を崩し切る攻撃も必要になる。一方、それだけでは相手に十分な脅威を与えられない。そこで指揮官が例に挙げたのが、プレミアリーグ開幕戦のリバプールFC対ニューカッスル・ユナイテッドFC戦(△2-2)だった。
両チームともボールを保持する力を備えながら、奪った瞬間には一気にゴールへ襲い掛かる。その「一矢」があるからこそ、互いに不用意に前へ出られず、それ自体が相手を牽制する力にもなる。曺監督は、そうした速い攻撃も浦和に加えていく必要性を説いた。
ボールを握ること自体を目的にするのではなく、奪ってから10秒以内に仕留める攻撃も持つ。逆に相手が構えれば、保持しながら崩し切る。
「持つチームか、来るチームか、引くチームかで、それは変わってきます」
対戦相手によってゲーム戦術を変えることで、チームには自然と異なる「顔」が現れる――。曺監督は、そうした戦術の振り幅を広げようとしている。
その意味で、ポゼッションに加え、相手が恐れるボール奪取からの鋭い「一矢」を持てるか。指揮官はそれを「ハイブリッド」とも語ってきた。町田戦で浮かび上がった課題にも触れながら、浦和がより“強い”チームになるための重要なテーマとして位置付ける。
山梨学院大戦では、新戦力やこれまで出場時間の限られていた選手が結果を残した。戦い方の選択肢と起用できる選手の幅を広げながら、浦和はリーグ戦初勝利へ――横浜FMとの埼スタでの決戦に向かう。
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