【仙台】天皇杯優勝ならず…関口訓充は声を詰まらせた「1年間戦ってきたこのメンバーで…」
天皇杯決勝のピッチに立った仙台の関口訓充。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
悲願の初タイトルならず。サポーターからは温かい声が掛かる。
[天皇杯 決勝] 浦和 1-0 仙台/2018年12月9日/埼玉スタジアム2〇〇2
浦和レッズに天皇杯決勝で敗れたベガルタ仙台のMF関口訓充は、人一倍悔しさを噛み締めていた。古巣である浦和に敗れた。しかし彼が悔やんだのは、それ以上に、仙台のサポーターに応えられなかったこと、そして、いろいろな境遇を経て仙台で巡り合った2018年のメンバーとともに「日本一」になるという悲願を果たせなかったこと――だった。
「人数では少ないかもしれないけれど仙台のサポーターは浦和以上の声援を送ってくれました。みんなのためにも優勝という結果を残せなかったことは悔しかったです」
この日は途中出場でピッチに立った。流れを変えようと、小気味いいアタックからアクションを起こしていった。しかし……ゴールを割ることはできず。浦和であり、タイトルを掴むためのゴールは思った以上に遠かった。
試合後、ゴール裏の仙台サポーターは「来年、この悔しさを返そう!」と温かい声が掛かった。いつも背中を後押ししてくれる彼らにあと1勝を贈れなかったが、申し訳なくてたまらなかった。
そして関口は声を詰まらせて言った。
「このチーム、このメンバーで戦う最後の試合でした。1年、1年、やはり選手が入れ替わっていきます……。このチームで頑張ってきたので、タイトルを獲りたかったです」
タイトルを本気で狙ってきた。それは関口だけではない。仙台で優勝する――という覚悟で今季のメンバーは集まってきた。ただ毎年多くの選手が入れ替わっていく。だからこそ関口はその”最高”の仲間たちと悲願を果たせなかったことに、無念さを滲ませていた。
文:サカノワ編集グループ