目指すは『和製デ・ヘア』。浦和の新人GK石井僚が静かに熱くキャリアをスタート
浦和ユースからトップチームに昇格したGK石井僚(32番)。(C)SAKANOWA
191センチの”大物ルーキー”。浜野新GKコーチのもと、課題の「読み」を磨く。
浦和レッズユースからトップチームに昇格したGK石井僚は、何よりもその日本人離れした恵まれた体格が武器の一つだ。
2000年7月11日生まれの18歳、身長191センチ体重84キロ。まだ身長は伸びそうだ。
守備範囲の広さはもちろんのこと、新世代のゴールキーパーらしくキック精度に自信を持つ。Jリーグ屈指のキック精度を誇る守護神の西川周作と武器が共通するが、「これからライバルになりますが、良いところは盗んで、もっとキックの精度を高めて武器として磨き、勝負していきたいです」と、むしろ最高の良きお手本と一緒にプレーできることを喜ぶ。
憧れはマンチェスターユナイテッドのGKデ・ヘアと西川周作。「デ・ヘアは2、3手先まで予測できているので、反応の速さ、キックの精度も高い。いつも動画を見ています」と、石井は言う。
とはいえ、自身のレベルはまだまだだと実感もしている。
「今の自分のレベルではまったく通用しないと思うので、すべてのレベルを上げていきたいです。特に予測の部分が課題です。そのとき、そのときでプレーしているので、どこにボールが飛んでくるのか予測できるように、そこは力を付けていきたいです」
石井はそう課題を挙げる。
浜野征哉新GKコーチには2017年、日本サッカー協会による「ナショナルGKキャンプ」で教わった経験がある。「浜野コーチは熱い方。しっかり一から学んでいきたいです」と、その環境もまた楽しみにしている。
ロシア・ワールドカップ(W杯)日本代表などでもコーチを務めた浜野コーチの指導法のもとで、ミレニアム生まれの守護神候補が挑戦をスタートさせる。まずプロの世界へ、大きな一歩を踏み出した。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI