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W杯女王GK福元美穂と山郷のぞみがちふれ埼玉で「最強タッグ」結成!

明日、なでしこリーグ開幕!今季からちふれ埼玉でプレーするGK福元美穂。(C)SAKANOWA

2011年の女子W杯優勝メンバーが選手とコーチとして1部昇格を目指す。明日21日、なでしこリーグ開幕。

 INAC神戸レオネッサからちふれASエルフェン埼玉に加入したGK福元美穂が、明日3月21日、なでしこリーグの新シーズン開幕を迎える。なでしこリーグがまだLリーグだった2001年(当時・岡山湯郷Belle)からゴールマウスを守り続けてきた守護神は、トップキャリア19年目にして、なぜ2部のちふれを選んだのか。そして彼女が見据える先とは――。

 これまで通算で1部リーグ251試合、2部リーグ15試合のピッチに立ち、日本女子代表としても81試合の出場数を誇る。そんな福元がちふれを選んだ一番の決め手は、2011年になでしこジャパン(日本女子代表)のチームメイトとしてドイツ女子ワールドカップで世界一に輝いた山郷のぞみさんがコーチをしていたことだった。

「今まで目標としてきた山郷さんがコーチをしていることが一番の理由で、尊敬する山郷さんから必要としてくれたと言いますか、もう一度、これまでと形は異なりますが、コーチと選手という形で、一緒にサッカーができることを嬉しく思って決断しました」

『福元&山郷』というまさに日本のゴールを守り続けてきた二人がちふれでタッグを組む。期待は膨らむばかりだ。

「先のことは分かりませんが、年齢的(35歳)にも最後の移籍になるかもしれません。そう考えた時、山郷さんの指導のもとで、もう一歩、自分自身も成長したい気持ちがあり、同時に荒川(恵理子)選手や伊藤(香菜子)選手と一緒にプレーできることもまた嬉しいことです。(菅澤)大我(監督)さんのサッカーは素晴らしいものですし、そのチームに加わり一緒に目指すべき方向へ向かって行きたいと思えました」

 ちふれの目標は昨季あと一歩及ばなかった1部昇格。2部チームではあるが、練習の施設面などは充実し、練習後の食事も提供されるなど栄養・健康面のサポート態勢も整っている。その環境のなかで、福元が見据えるのはさらに先だ。

「1部昇格はもちろんで、上がってもしっかり堂々と戦えるように準備していくことも念頭に置きたいです。また監督も言っていますが、サッカーを通じて、人としても成長をしていきたいです」

 そして、福元自身の目標は――。それを叶えるには、まさにこのクラブが適しているのかもしれない。

「今までは『一生懸命』とか、『全力』でとか、そういう感じでしかやってきていませんでした。もちろん、これからも基本はサッカーで結果を残すことです。ただ自分自身に『遊び』がないと言いますか、山郷さんから『ちょっと堅いよ!』と言われてきたので、見方をもう少し広げて、少し遊びのあると言いますか、違った角度からも考え方や見方を持てるようにして、そうすることでサッカーに取り組む姿勢を少し変えて、プレーの幅を広げたいです。そういった新たなところを、自分自身でも見てみたいなと思っています」

 サッカーが軸であることに変わりはない。ただ、これまでとは異なるアプローチからあらゆる面で進化を遂げたいと考えている。

「(ポジション争いがあり)もちろん簡単に試合に出られるとは思っていませんが、山郷さんの指導を受けながら、充実した日々を送れています。その充実した毎日を、楽しんでいきたいです」

 福元はそのように言って、優しく笑った。

 なでしこリーグ2部開幕戦、ちふれASエルフェン埼玉は3月21日午後2時から川越運動公園陸上競技場でスフィーダ世田谷FCスフィーダ世田谷と対戦する。果たして福元の出場はあるか? なでしこジャパンにも選ばれた20歳の長野風花らも加わった魅力的なキャストとともに、なでしこリーグに新風を吹かす――。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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