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【なでしこジャパン】北川ひかるがブラジル戦へ「左サイドを活性化させるのが自分の役目」

ブラジル戦の前日練習に臨むなでしこジャパンの北川ひかる。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

パリ・オリンピックでは同組。勝敗以上に課題のチェックがポイントに。

[She Believes Cup 3位決定戦] ブラジル女子代表 – 日本女子代表/2024年4月10日05:07(現地9日16:07)/Lower.comフィールド

 パリ・オリンピックに出場する強豪4か国の集結する「She Believes Cup」3位決定戦、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)が4月10日5時7分(現地9日16時07分)から、ブラジル女子代表とアメリカ・オハイオ州のLower.comフィールドで対戦する。

 オリンピック本番のグループステージで、日本はブラジルと同じC組である。昨年12月のブラジル遠征では1勝1敗の五分。両チームともに完全な手の内は明かさないと思われるなか、日本がこの試合でテストしておきたいのが、左サイドの構築だ。

 前回の2試合で左サイドで起用されたのが、遠藤純(エンジェル・シティFC)、宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)、猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)、古賀塔子(フェイエノールト)、杉田妃和(ポートランド・ソーンズFC)の5人だった。そのうち遠藤と猶本はケガで長期離脱を余儀なくされ、宮澤はこの遠征で骨折して、今回ようやく代表復帰を果たした。

 このブラジル戦で期待されるのが北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)だ。パリ五輪アジア最終予選で抜擢された左サイドのスペシャリストである。

 2017年になでしこジャパンに初招集されたものの、同年のアメリカ遠征を最後にベンチを温める日々が増えた。その年の終盤には「何が自分の強みか分からなくなっています」と彼女らしくない言葉も口にしていた。

 この時期を北川は「周りを気にせず自分と向き合う時間だった」と振り返る。北川は、浦和からアルビレックス新潟レディースへの移籍を決断。新潟の代名詞である堅守の中に身をおき、5シーズンを通じて課題を一つひとつ克服していった。そして今シーズン、INAC神戸レオネッサへ活躍の場を移した。

「どれだけ自分らしさを出しつつ常勝軍団の中でやれるかという状況に自らを持ってきました。今は自分の良さを出すことにフォーカスしている感じです。そこで自信がついてきたから“今”の自分があります」

 北川は力強く言う。

 INACではスタメンを獲得し、好調の波に乗ったなかで代表復帰を果たした。4バックと3バックの両方に対応できるのも強みで、最終予選の北朝鮮との第2戦では、3-4-2-1の左ウイングバックに入り、攻撃の起点となって活躍し、池田監督の信頼を得た。

「自分では“作り(ビルドアップ)”もできると思っています。守備はもちろん、(相手の)背後に抜け出したり、前線に絡んでもいきたいです。何より左サイドを活性化させることが自分の役目。失点ゼロに抑え、左からの攻撃をしっかり担っていければメンバーに残っていけると思っています」

 直前のWEリーグの試合で頭部を負傷した北川は精密検査を受けたが、そこで問題ないと診断されて、少し遅れて合流した。額の腫れは収まっているが、右目の周りには大きな青あざが残る。それでも合流当初は痛みがあると言っていたが、ブラジル戦前日はフルパワーで練習に臨んでいた。

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「いろいろな組み合わせを見たい」と語っていた池田監督のなかに、当然“左の北川”がある。どのような形で北川が起用され、それに彼女がどのように応えるのか。チームの課題でもある左サイド、北川が救世主になるか――。

取材・文・写真/早草紀子
text and photos by Noriko HAYAKUSA

Posted by 早草紀子

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