広島の堅守を崩せず惜敗。大分の片野坂監督が感じる”今こそ大切なこと”
大分トリニータのサポーター。(C)SAKANOWA
ホームでの『上位対決』を落として今季2敗目…。
[J1 5節] 大分 0-1 広島/2019年3月30日/昭和電工ドーム大分
大分トリニータがサンフレッチェ広島をホームで迎えた一戦、チャンスは作ったものの0-1で敗れた。好調なチーム同士の『上位対決』を落とし、これでリーグ通算3勝2敗となった。
「残念で悔しい結果に終わりました。広島さんの粘り強い守備をこじ開けられず、本当に悔しいですね」
試合後のフラッシュインタビューで大分の片野坂知宏監督は、悔しさを滲ませた。広島対策は施してきたが、57分にドウグラス・ヴィエイラに先制点を決められたあと、しっかりリトリートする相手の固い守備網を打ち破ることができなかった。
「(先制されたあとも)狙いとしていた形でチャンスを作り、選手たちも最後まで力を使って、得点を狙いに行ってくれた姿勢は良かったと思います。しかし最後のところ、やはり集中して守り切るというところは、広島さんは強さがあると感じました」
指揮官はそのように負けを認めた。そのうえで次のように課題を挙げた。
「先制点を取られたあと、ブロックをこじ開けるために揺さぶり、フィニッシュのところまで行くトレーニングを積んできて狙っていました。しかし最後の精度やアイデアのところはなかなか上手く行きませんでした。まだまだ自分たちのチームは課題があると思います」
一方、ブレずに大切にするものも改めて見えてきた。大分がベースとするスタンス――相手の出方に応じ、走力と運動量を生かした遅攻&速攻を織り交ぜた地上戦――を貫くことを感じ取っていた。
「戦術を90分通じて切らさず戦うことが大事で、その狙いのクオリティを上げていかないといけない。しっかり闘える選手を準備して、今後の試合に臨んでいきたいと思います」
そのように片野坂監督はこの敗戦を糧に受け止め、前を向いた。次節は4月6日、アウェーで北海道コンサドーレ札幌と対戦する。前半戦の踏ん張りどころと言えて、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の率いる共通項の多い相手に、しっかり勝ち切れるか。J1での現在地をより把握するうえでも、大切な一戦になりそうだ。
文:サカノワ編集グループ