香川の動向に影響!?ライバルのセルビア代表アタッカーが大活躍
小林祐希(左)とストレッチをする香川真司(右)。(C)SAKANOWA
トリノから期限付き移籍中。ベシクタシュに「買取義務オプション」。
[トルコ1部 27節] リゼスポル 2-7 ベシクタシュ/2019年4月8日/リゼ
ベシクタシュJKが3月の国際Aマッチの中断明け最初のリーグ戦となるアウェーでのリゼスポル戦、7-2の大差で勝利を収めた。香川真司は78分から途中出場し、得点は奪えなかったものの、随所で鋭いプレーを見せた。
この試合では、香川とトップ下のポジションを争うセルビア代表アタッカーのアデム・リャイッチが88分までプレーし、2ゴール3アシストと圧巻のパフォーマンスを披露した。
さて、その27歳のリチャイッチだが、香川の今後の動向に少なからず影響を与えそうな存在である。
トルコの全国紙『Turkiye』などがこのほど、「香川か? リャイッチか?」というレポートを掲載。記事によると、ベシクタシュが完全移籍に向けて本腰を入れている香川獲得だが、実現するためには400万ユーロから500万ユーロ(約5億円~6億2000万円)が必要になる。またはレンタルを延長するのであれば、150万ユーロから200万ユーロ(1億8000万~2億5000万円)はかかるだろうと見ている。
また、同じトップ下のリャイッチは、セリエAのトリノFCから香川と同じく期限付き移籍中である。しかしベシクタシュに「買取義務オプション」がついているという。その条件が出場17試合以上、そしてリーグ3位以上。すでにリャイッチは20試合に出場(7得点8アシスト)、他にもカップ戦の6試合のピッチにも立っている。出場条件は満たしていることになる。
そしてベジクタシュは27節を終えて勝点50の3位。4位のトラブゾンスポルと勝点4差をつけている。
つまり、このままいけばベジクタシュはリチャイッチの「買取義務」が発生することになるのだ。その場合、650万ユーロ(約8億1000万円)が必要だという。
記事によれば、もしも香川を本気で獲得するのであれば、リャイッチの放出が条件になってくるのではないか。いずれにせよ、財政難で全体として来季3000万から3500万ユーロ(約37億円~43億円)まで人件費の削減が迫られるため、二人を確保するのは難しいという見方をしている。
評価を高めたリャイッチを買い取ったうえで他クラブに移籍させ、その資金を生かして香川を獲得する――というプランもあるようだ。実際、「ミラノのクラブ」が獲得に興味を示しているという。が、果たしてそのように上手くことを運べることができるのか。
もちろん二人を中心としたチームにする、という可能性を探ることもできる。この試合でもシュノル・ギュネス監督は二人の同時起用を模索。しかし10分間で、リチャイッチを交代させている。
二人の活躍ぶりをクラブはどのように見て、どのように判断していくのか。ここから1試合1試合、それぞれのパフォーマンスによって、状況が大きく変わっていきそうだ。
文:サカノワ編集グループ