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C大阪の大分決定機阻止はイエローカードでは?上川氏と原氏で見解分かれる

大分の片野坂知宏監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

片野坂監督が珍しく激怒。危険なプレーかどうかの議論はされず…。

[J1 9節] C大阪 0-0 大分/2019年4月27日/ヤンマースタジアム

 スコアレスドローに終わったセレッソ大阪対大分トリニータ戦の52分、C大阪のロングスローを大分が自陣でクリアする。そのボールを受けた小塚和季が、後方の空いたスペースへ大分のエース藤本憲明が抜け出すのを見て、前線へ浮き球のパスを放つ。すると、そのボールを追おうとしたC大阪の奥埜博亮が藤本を後方から倒す形になる。飯田淳平主審は奥埜のファウルは取ったものの、イエローやレッドカードを出さなかった。

 このシーンが「DAZN」のコンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、日本サッカー協会の上川徹トップレフェリーグループシニアマネジャーが解説を行った。

 上川氏は「まだ藤本選手がボールをコントロールできておらず、またパスの方向がゴールではなくコーナーフラッグ付近に向かっています。得点機会の状況だったとは言えません」と、「得点機阻止」にあたるレッドカードが出るシチュエーションではなかったことを説明した。

「(その前に)奥埜選手がミスしたことがポイントにもなるかもしれません。ただDF(奥埜)はボールのほうへ、藤本選手はゴールの方向へ向かっています(※小塚のパスが、藤本の意図とたほうと少し違っている)。パスが藤本選手の走るほうに出ていないことを、主審は確認していたのだと思います」

 そういった小塚のパスが若干ズレたことも、判定に影響を与えたことを説明。もう少しゴールに向かっていれば、イエローカードは出ていたのではないか、そのうえで藤本がマイボールにしたあとであればレッドカードもあり得た、という見解を示した。

 そういった状況を踏まえ上川氏は、「レフェリーの判断は尊重できて、理解はできると思います」とイエローカードが出なかった判定を正しかったとした。

 一方、コンテンツに出演していたJリーグの原博実副理事長は、奥埜が自身のミスを取り返すためのファウルでもあり、「イエローカードでいいと思う、僕は」と指摘した。

 上川氏による解説は分かりやすく、確かに小塚のパスがズレていたこと、走る方向が攻撃者と守備者で異なっていたことなど、「主審目線」で説明されたことで、なぜ、「即イエローカード」にならなかったかは理解できた。

 一方、このなかで、奥埜が藤本を倒した行為が警告の対象である「ラフプレー」(危険なプレー)にあたるかどうかの議論はされなかった。バックパスをミスした奥埜が、藤本を追い、後方から足が掛かる形になっている。奥埜は藤本を視界に捉えており、不意ではなかったと言える状況だ。実際、藤本は足を傷めていた。

 大分の片野坂知宏監督が珍しくその判定に抗議していたが、後方から倒される行為は、攻める側からすると回避できない。その意味では、原副理事長が指摘するように、イエローカードに該当する危険なプレーにも該当したたのではないだろうか。

文:サカノワ編集グループ

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