なでしこL好調の浦和。菅澤優衣香が悔しさに込めた「決意」
ゴールに迫った浦和Lの菅澤優衣香。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
2位に後退し踏ん張りどころ。GW3連戦、6日はノジマステラと対戦!
なでしこリーグは5月6日、ゴールデンウイーク3連戦のラストを迎える。
6節の5月2日、前節今シーズン初めて首位に立った浦和レッズレディースが、なでしこジャパンの多くのタレントを擁するINAC神戸レオネッサと浦和駒場スタジアムで対戦した。
前半から守備がハマり、猛攻を仕掛けてたのはホームの浦和だった。安藤梢がボールをキープして精度の高いクロスを放てば、菅澤優衣香がヘッドでゴールを狙う。立て続けに菅澤からのボールを安藤がシュート。立ち上がりからゴールの予感を漂わせた。
しかし……先制点を与えてしまう。仲田歩夢からのボールを岩渕真奈が巧みにコントロール。すると、そのままゴールへ――。結果的に、この19分の得点が決勝点となった。
相手に形を作らせない守備を貫いた。連動性のあるプレスで相手のミスを誘い、ボールを奪った瞬間、全員の攻撃へのスイッチが入った。その前線までのボールの運びもスムーズだった。
それだけに……。FWの菅澤は悔しさを募らせた。
「本当に前半は自分たちのサッカーが上手くいっていた。そこで一本裏を取られてしまい……。でもこういう時に自分たちFWが点を獲らないと苦しい試合になってしまうのでそこが反省点です」
後半には右サイドバックの清家貴子を1列前に出して、前線に厚みを持たせてゴールを狙った。そのオプションを見せた浦和だったが、ギアを上げてきたINACに押されて足が止まってしまった。
「前半に飛ばしすぎたのか、相手の勢いに押されたことで後半は落ち過ぎたのか……。90分を通しての戦い方を考えないといけない」
菅澤はそのように反省しきりだった。
日テレ・ベレーザが首位に立ち、4勝2敗の浦和は勝点1差で2位に順位を落とした。
「戦えている部分もある。(ゴールが)決まりそうな雰囲気もあった」
浦和の森栄次新監督はそのように敗戦のなかにも確かな手応えを得ていた。
今季からチームを率いる指揮官の選手起用一つひとつにメッセージが込められている。選手たちもそれをしっかり受け止める。この試合では勝利を収められなかったが、選手たちの表情からは、これまでにないポジティブな可能性を感じ取っているように見えた。
5月6日は球際の粘り強さと多彩な攻撃スタイルを持つ7位のノジマステラ神奈川相模原との対戦だ。1勝1敗で迎えた連戦最後。この3試合で、浦和は一つ上へ突き抜けるための突破口を見つけ出そうとしている。
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA