神戸フィンク監督初陣!首位FC東京戦へ「得ることしかない」と前向き決意
神戸の新指揮官に就任したトルステン・フィンク監督。(C)VISSEL KOBE
目標はACL出場権獲得だが、「あくまでもステップbyステップ」。
[J1 15節] FC東京 – 神戸/2019年6月15日/味の素スタジアム
ヴィッセル神戸の新指揮官に就任したドイツ人のトルステン・フィンク監督が6月14日、初陣となるFC東京戦(15節/味の素スタジアム/19:00)に向けて抱負を語った。
フィンク監督は就任までの経緯に触れながら、クラブと自身の考えに「似ているところがあった」と共鳴したことを明かし、いよいよ始まる戦いへの決意を示した。
「ようやく仕事をスタートできたことを、すごく嬉しく思っています。今までは見守る形でしかいられなかったのでホッとしています。
ヴィッセル神戸という素晴らしいクラブ、そしてこの強いチームのリーダーとして仕事をできることを光栄に思っています。このクラブには理想があるということは知っていますし、哲学とまではいかないですが、割と似てるアイデアがあったので、一緒に仕事をできるのではないかなと思いました。
監督は誰でもいいという訳では無かったと思います。誰か合う人を探していて、私を選んでもらって、私もクラブに与えられることはたくさんあると思うので、そこを拠点にして働きたいです」
就任直後、首位のFC東京と対戦することになった。準備時間は短かったが、「得ることしかない」と、むしろポジティブに捉える。そしてチームの目標について、まずACL出場権獲得、さらにその先――アジア・ナンバー1を掲げた。ただし、あくまでも「ステップ by ステップ」が大切だとも強調した。
「みんなで良いチームを作れると確信しています。実際にスタジアムで試合を観戦していますし、動画でも何試合か観ています。
FC東京戦までに私のアイデアで準備するには、時間がないことも分かっています。まず首位チームとやるとなると、こちら側からすれば、得ることしかないのではないかと思っています。
私もチームとともに、これからの目標を短期的と長期的に分けています。ショート(短期的)は、次の試合に勝つこと。ロング(長期的)は上位に加わり、タイトルを獲得し、AFCアジア・チャンピオンズリーグに出場することです。
さらにその上を行くと、アジアのナンバー1クラブになることを目標としています。
でもまず大事なのはファーストステップを踏むこと。それ以上を考えると、こけてしまうこともあるので、まずは目前のことに集中します。ステップ by ステップです」
フィンク監督自身は、とても気さくでいろいろな形でコミュニケーションをとっていきたいという。一方、勤勉で努力家。現役時代は百戦錬磨のバイエルン・ミュンヘンで一時代を築き、指導者としては、バーゼル、ハンブルガーSVなどで実績を残した。
「私はオープンに話をするタイプです。就労許可(ビザ)がまだ下りていなかった関係で、最初から皆さんと話せなかったことについてはお詫びしたいです。私自身は努力家ですし、家族を含めドイツでもその様な方が多い地域で育っています。このクラブのために24時間働きたいと思っています。
たまには寝ないといけませんが、とにかく努力します。 ドイツはこれから夏休みに入り、家族もこちらに来る予定です。二人の子供も何週間かこちらに来ます。
最後に、このクラブで働いている全スタッフに感謝しています。本社に訪れた際にもすごく歓迎をしていただきました。一人ひとりここで働いている方たちの力があって一致団結できると思うので、それを忘れず頑張っていきたいと思います」
これまでの経験に、日本での新たな要素を吸収し――「フィンク神戸」がどのように形作られていくのか。そしてアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、山口蛍、西大伍(ルーカス・ポドルスキの復帰目処は立たず)らがコラボレートしていくのか楽しみだ。
文:サカノワ編集グループ