【FC東京×湘南】GK富井の足がラインの外。どこからハンドになる?来季VARの対象には?

アディショナルタイムに同点とされうなだれる湘南のGK富居大樹(21番)。励ます秋元陽太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

原博実副理事長は、GKのスローイングに疑問を呈す。

[J1 32節] FC東京 1-1 湘南/2019年11月23日/味の素スタジアム

 J1リーグのFC東京対湘南ベルマーレ戦(△1-1)の26分、FC東京の後方からのフィードに対して湘南のGK富居大樹がペナルティエリアの外に足を出してボールをキャッチしたシーンがあった。こうした場合、どこまでGKのキャッチが認められ、どこからがハンドの反則になるのか? 疑問のあった判定について議論するDAZNの「Jリーグジャッジメント」でこのシーンが取り上げられ、日本サッカー協会(JFA)審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長が詳しく解説をした。

 まず、このシーンについて、オリバー氏は次のように説明。ハンドだという確証は得られないとした。

「非常に微妙な判定だと思います。試合後、VTRで確認しましたが、10分の1秒ずつの映像で見るとハンドの可能性があると感じられます。一方、別のフレームから見ると、ペナルティエリアの中でキャッチしているとも見えます。ボールが空中にあるため、100パーセントの確率でハンドか否かは言えない状況です。

 ボールがグラウンドに接していれば、そのどちらか言うことができるかと思いますが、この状況で副審は100パーセントあっているという確証がなければ、旗を上げる(ハンドである)ことはできません。そのため、副審の判断に同意します」

 そのように”疑わしきは罰せず”で、オリバー氏は審判団の判断を支持した。

 また、このシーンが来季からVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の対象になるのかどうか、オリバー氏は次のように解説した。

「対象になるのは、DOGSO(ドグソ、決定機阻止)かどうか。その場合、VARが介入します。しかし、今回のケースはGKが先にボールを触っています。その前に、アタッカー(永井謙佑)がボールをコントロールする機会に至っていません。そうなるとドグソに当たらず、VARが介入する対象にはなりません」

 一方、なぜ今回が「非常に微妙」で「難しい判定」だったのか。足の位置は関係ないものの、ラインをまたいで、どこからがハンド(反則)の対象になるのか。オリバー氏が詳しく説明をした。

「ラインは『ペナルティエリアの一部』になります。ではボールがライン上にあり、GKの手がペナルティエリアの外からボールを触れた場合、これはハンドになるか、ならないか(図1参照)? 

 この場合、重要なのは、ボールのどこに触れているかになります。コンタクトした部分、つまりボールと手の接触点が重要になります。なので、この場合、ハンドのファウルになります。ボールがライン上でも、接触は外になるからです。

 では手の一部が外で触れた場合(図1参照)。これもハンドの対象です。ですから、このケースは難しいと言えます」

図1)「ライン」を挟んで、上がフィールド、下がペナルティエリア内。上部2つのケースは「ハンド」の反則になる。下部のケースはエリア内になり、ハンドにならない。(C)SAKANOWA

 つまり、GKがスローイングする時、本来であれば手が少しでもペナルティエリアの外に出ていた場合、ハンドになるというのだ(フィールドプレーヤーのファウルかどうかの基準も『コンタクト』の場所になる)。

 そこで、疑問を投げ掛けたのが出演していたJリーグの原博実副理事長だ。原氏は次のように指摘した。

「おそらく、けっこうな数、GKはペナルティエリアの外に手が出て投げている。しかし、ほとんどいうか、まったくファウルを取られることはない。それでは、現状のルールと運用が別になっていることになるのではないか。そのため、多くの人は『ボールがラインにかかっていれば大丈夫』と思っているはず」

 確かにGKがペナルティエリアのかなり前方まで出てスローイングをした際、手がラインの外に出ているように見えるシーンは多々見受けられる。それも”疑わずは罰せず”という暗黙の了解のもと、ある意味守られてきた光景になっているということになるのか。しかも将来的には分からないが、現状ではそこがVARの対象にはならない、というのもまた興味深いところだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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