【浦和】土壇場ドロー、渾身の興梠弾!「最近は内容がすごく良くなってきている」
鹿島戦でゴールを決めた興梠慎三。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
最近6試合4ゴールとエースが乗ってきた!
[J1 16節] 浦和 1-1 鹿島/2019年7月31日19:30/埼玉スタジアム2〇〇2
浦和レッズのFW興梠慎三が鹿島アントラーズとの一戦、0-1と1点リードされて迎えた88分に渾身のヘディングシュートをねじ込み、土壇場で追いついてみせた。気温31.2℃というまるでサウナの中にいるようだったという暑さのなか、まさに最後の最後、古巣相手に執念の一撃でホームチームに歓喜と勝点1をもたらした。
選手交代を挟み試合がめまぐるしく動き、両チームにチャンスが生まれていた。そのなかで興梠は比較的、冷静だったという。必ずチャンスは訪れる――そう信じていた。
「間違いなく、(杉本)健勇が入ると、そこをターゲットにクロスを入れてくると相手は思うので、自分はその裏になるべくいて、大きい展開でボールが来た時にはシュートを打てるように準備していました。相手が健勇につられ、その意味では、いいポジションを取れていました。一瞬、前のDFにかぶってボールを見失ったけれども、最後は冷静に決められました」
88分、左サイドの山中亮輔がボールを持って仕掛ける。そしてファーサイドへ――。クリアを狙った町田浩樹の頭上を越えたボールを、背番号30がスナイパーのように確実に”仕留めて”ゴールネットに叩き込んだ。
「健勇がいれば相手DFは必ず意識がそこへ意識が行くので、そこで自分も相手を駆け引きをしながら、中に入っていくことが大切だと思っています」
とはいえ、立ち上がりにも決定的なチャンスがあっただけに……「前半ね、もっと簡単なシュートがあったので、あれを決めたかったですね……」と悔やんだ。
これでリーグ戦2試合連続ゴール。チームのバロメーターを示すように、最近6戦で4得点とエースが当たってきた。
「自分が点を決めて勝ってヒーローインタビューするのをイメージしていて、ちょっと違ってしまったけれど、でも点を取れたことは良かった。前半の決定機を決めきれなかったのは残念だった。ただ最近は内容がすごく良くなってきている。鹿島相手にこのような内容で戦えたのは、チームとしてプラスに捉えていいかなと思います」
33歳のバースデーゴールに興梠は「レオ・シルバがいるだけで違うチームになる。でも今日は良かったと思う」と気を引き締めつつ、しっかりとした確かな手応えを掴んでいた。
[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI