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開幕から負けなし横浜FM。GK飯倉が川崎戦で失点よりも課題に感じたこと

飯倉大樹。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

対策を立ててきた川崎のプレスに序盤苦しむ。

[J1 3節] 横浜FM 2-2 川崎/2019年3月10日/日産スタジアム

 横浜F・マリノスのGK飯倉大樹は、2-2の引き分けに終わった川崎フロンターレとの『神奈川ダービー』のあと、相手が対策を立ててきた際、どこにギャップを作るのか――そこに課題を感じ取っていた。

「ミスからの失点になったけれども、相手のクオリティの高さもあり、行ってもかわされて、行ってもかわされて、という場面が続きました。ただ、ハードワークは続けられて、90分の最後は相手も足が止まってきて、そういったところはイメージ通りできたかなと思います」

 そのようにハードワークを最後まで怠らなかったチームメイトをたたえた。そのうえで、飯倉はミスから献上した先制点をミスだと受け止めつつ、それ以上にチームとしての課題だと感じていたことを次のように挙げた。

「どこでギャップを作るのか。そこを指示できれば良かったかなというのはあるかな。相手が元気な時、もう少し、俺から判断して伝えられれば。失点に関しては、自分たちのやろうとしているサッカーから起こってしまったこと。簡単にいえばミス。イレギュラーであり、合わせていければいい。ただ問題は、ここから勝っていくために、どのようにギャップを作っていくかが大事になっていく。そこを続けて、また次のステップとして取り組んでいきたいです」

 普段4-2-3-1の川崎が2トップにする「マリノス対策」の布陣で、最終ラインにプレッシャーをかけてきた。最終ラインからのビルドアップを自由にさせない狙いだ。中盤のポジショニングやプレッシャーの掛け方にも、スカウティングをされていると最後尾にいた飯倉は感じ取っていた。

「自分たちのトライできているサッカーは良かったけれど、いつもと違うフォーメーションでハメられた時、チームとして、どこにスペースを作るのか。個人ではなくチームの立ち位置だったり、出入りの仕方は、今後の課題。自分たちで振り返って、改めてどこがウィーク(ポイント)になっているのか、考えをまとめて意思統一する必要性は感じました」

 マリノスの守護神はそのように具体的に、ビルドアップの「出口」をふさがれた時、どうやって相手の逆を突くのか。そのあたりの引き出しを増やしていくことを、今後のテーマに挙げていた。

 とはいえリーグ2連覇中の川崎相手に、一時突き放されながら、90+5分に追い付いてのドローである。飯倉は手応えを感じ取っていた。

「結果は2-2で踏ん張れたかなと思うし、途中からはウチのペースになれた。流れを変えられる選手が揃っていて2点目を取られたけど、諦めず取り返せた。ここ数年のウチの感じだと負けていた流れを止められた。そこは良かったと思います」

 勝利からの逆算――。昨季開幕時は新戦術の徹底に時間を費やした横浜FMだが、今季はチームとしての意思が「勝利」にしっかり向いてスタートを切っている。開幕から2勝1分と負けなし。それだけに、川崎相手のドローに「最低限の結果」と横浜FMのみんなが口を揃え、満足している選手は一人もいなかった。

文:サカノワ編集グループ

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