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【鹿島】カシマスタジアムなどで出た廃食油を航空機の燃料に再利用。将来的には選手の移動する航空機への供給も視野

鹿島アントラーズ 写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

「Fry to Fly Project」にプロスポーツクラブとして初参画。

 J1リーグの鹿島アントラーズは12月20日、廃食用油を航空燃料として再利用する脱炭素社会実現に向けたプロジェクト「Fry to Fly Project」に参画することを発表した。このプロジェクトに加わったのはプロスポーツクラブとして初めて。

 今後、県立カシマサッカースタジアムやクラブ施設などで使用した廃食用油を持続可能な航空燃料「SAF(サフ)」製造の原料として供給し、持続可能な社会実現に貢献していく。

▼「Fry to Fly Project」、「SAF(サフ)」とは
「Fry to Fly Project」は、家庭や店舗などで出た廃食用油を利活用して航空機が飛ぶ世界を実現するためのプロジェクト。185の企業、自治体、団体(2024年12月19日時点)が参画し、廃食用油が資源として回収されるための環境づくりや脱炭素化に向けた資源循環の促進を目指している。

「SAF」とは「Sustainable Aviation Fuel」の頭文字をとったもの。持続可能な航空燃料を意味する。廃食用油やバイオマスを航空燃料の原料に使用することで、従来の化石燃料に比べてCO₂排出を大幅に削減できる次世代エネルギー資源となる。

 鹿島は12月8日にホームで行われた今季最終節のFC町田ゼルビア戦から、スタジアムでの廃食用油回収を開始。7月からはトップチーム選手寮の雄飛寮とユース選手たちが生活するアカデミーハウス、9月からはトップチーム選手が食事を摂るクラブハウスカフェテリアで廃食用油の試験回収を進めてきた。

 町田戦ではホームゲームで初めて、スタジアム売店で発生する廃食用油の回収を実施。今後は近隣空港へ安定的にSAFの供給ができるよう、廃食用油の回収量を増加させていく。

 将来的には、ホームタウン近隣の空港から発着する航空機への継続的な給油に加え、選手の国内・外の遠征時に使用する航空機へのSAF供給にもつなげていく計画だ。鹿島はクラブ全体で地域の環境、社会の未来に貢献すべく、サステナブルな価値を生み出す活動を推進していく。