横浜と浦和に200万円罰金など制裁。立花代表「無観客試合などに至った苦しい経験を二度と繰り返してはいけない」
(C)SAKANOWA
サポーター間のトラブルで。浦和がJリーグから改めて警告を受けたことも明かす。
2019年7月13日に日産スタジアムで行われたJ1・19節の横浜F・マリノス対浦和レッズ戦の試合前、両クラブの一部サポーター間におけるトラブルが発生したことを受けて、Jリーグから8月22日に制裁として、両クラブにそれぞれ譴責(始末書提出)並びに制裁金200万円の通達があった。
まず、ホームの横浜F・マリノスは、管理監督責任を明確にするため、黒澤良二社長の報酬10パーセントを3カ月間減額、及び、競技運営の担当部長に対し厳重注意を行う。
同クラブでは「今回のトラブル発生並びにJリーグからの制裁を厳粛に受け止め、再発防止に向けて取り組んで参ります。また、『安心・安全で快適なスタジアム』の実現を目指し、今後はより一層ファン・サポーターの皆様にとって魅力あるスタジアム作りに努めて参ります」とコメントしている。
▽Jリーグからの制裁理由:横浜F・マリノスサポーターによるビジター側スタンドへの侵入を未然に防ぐことができず、暴力を許し負傷者を出してしまったことは、主管クラブの警備体制に不備があったことおよび自クラブサポーターをコントロールできなかったことに責任がある。
また、当日のトラブルは、SNS等を通して動画で拡散されスタジアムが危険であるとの印象を社会に与えてしまった責任は大きい。制裁金の金額については、社会的な影響が大きく、負傷者を出した責任は逃れられないが、浦和サポーターの禁止エリアにおける横断幕掲出が本件を触発した事情を勘案し、200万円が妥当と考える。
▽トラブルの詳細・発生した事象
・浦和サポーターの事前搬入が予定時間から1分30秒オーバーしたことを要因として、ホーム側先行開門時間、及び、ビジター側開門時間をそれぞれ予定時刻より遅らせて開門を実施 ・横断幕掲出ルールに反する浦和レッズサポーターによる横断幕の掲出
・横浜F・マリノスサポーターによる緩衝エリアへの侵入、及び、両クラブ一部サポーターの揉み合い
▽再発防止策
・ホームゲーム実施におけるクラブ内運営体制の見直し
・危険度に応じた緩衝エリアの警備体制の見直し
・ビジタークラブに対し、ビジターサポーターへのルールの周知徹底協力を再度依頼する
▽処分
横浜F・マリノスサポーター ・主導した1名に対し、横浜F・マリノス出場8試合のスタジアムへの入場禁止 (7月20日(土)ヴィッセル神戸戦から8月31日(土)ガンバ大阪戦までの、ホームゲーム、アウェイゲーム、天皇杯などを含む全8試合)
・上記1名を除くトラブルに関与したサポーター40名への厳重注意
一方、浦和レッズは次のように報告をしている。
▽事案の概要
一部の浦和レッズサポーターによるスタンドでの事前応援準備の終了時間が1分30秒超過した事が理由となり、浦和レッズ側入場ゲートの開門時間が15分以上遅れる事となった。それに抗議する一部の浦和レッズサポーターが横断幕掲出禁止エリアに横断幕を掲出。
この行為を見た横浜F・マリノスサポーター約40名が緩衝エリアに侵入し浦和レッズ側スタンドに詰め寄り、フェンス越しで浦和レッズサポーター約20名と揉み合いになった。その際、双方で暴力行為が発生し、負傷者が発生した。
揉み合いの最中に、浦和レッズサポーターによって緩衝エリアの人がいない場所へ向けて傘1本が投げ込まれた。
▽当該サポーターへの処分
横断幕掲出禁止エリアに横断幕を掲出したサポーター、傘を投げ入れたサポーターの双方に対し、横浜F・マリノスと合意の上で、厳重注意し、二度と違反行為をしない事を誓約させた。
▽再発防止策
浦和レッズサポーターによる横断幕掲出を巡るトラブルが今シーズン4回発生しており、その事をクラブとして極めて重く受け止めております。 掲出禁止エリアに横断幕を掲げることは許されるものではありません。また、原因のいかんを問わずルールに反する行為は決して許されるものではありません。 今後は、いかなる理由があろうとも、サポーターにルールを遵守するよう、クラブが責任をもって対応して参ります。
そのために、 (1)サポーターとのミーティングをクラブ主導で行うなどスタジアムルール遵守の徹底を改めて行いました。今後も継続的に「SPORTS FOR PEACE!」で掲げるスタジアムでの「重点禁止6項目」の遵守はもとより、スタジアムルール遵守を徹底するための取り組みを更に強化して参ります。 (2)アウェイゲームにおいて、事前にホームクラブとスタジアムルールの情報を共有した上で、以下の事項を徹底して参ります。
スタジアムルールをホームクラブから事前に提供していただき、詳細を把握した上で、ホームクラブと協力して明確にサポーターに伝えて参ります。
・スタンドでの事前応援準備の時間帯にクラブスタッフが、ホームクラブや警備員の事前説明に引き続き立ち会って参ります。
・状況に応じ、入場ゲートにおいてサポーターに対し、自らスタジアムルールを配布するなど、ルールの告知・遵守に努めます。
・スタジアムの安全確保を最優先に、警備スタッフやホームクラブ関係者とコミュニケーションを、より一層密に図って参ります。
※今後、ルール違反に関しては、いかなる理由があろうとも厳しい処分を科す覚悟で取り組んで参ります。
【浦和 立花洋一代表のコメント】
「 Jリーグをはじめ、関係する皆さま、そしてサッカーに関わるすべての方々に対し、度重なる違反行為について深くお詫び申し上げます。
今後、浦和レッズはルール違反や暴力行為を根絶します。もしそのような行為が行われた場合、厳しい処分を科していきます。
今後、浦和レッズが同様の違反を繰り返した場合は、そのことを重く考慮して制裁金以上の制裁を科すこととするとJリーグからも伝えられております。
2014年の差別的横断幕事案に端を発した無観客試合やすべての横断幕掲出禁止に至った苦しい過去を二度と繰り返してはいけません。 ルールを遵守するという点においてはクラブ主導で、サポーターに対して本気でクラブの覚悟を示して理解を求めて参ります。
暴力行為についてはいかなる事情においても許されるものではなく、再発防止策においては、Jリーグのご支援も賜りながら取り組んで参りたいと考えております。
また、Jリーグ、Jクラブ並びにサポーターとの信頼関係を保ちながら取り組んでいく所存でございます」
▽浦和の社内での処分
・立花代表 役員報酬自主返納(10パーセント・5ヵ月)
・競技運営部・本部長 厳重注意 ・競技運営部・部長 厳重注意