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VARでゴール取り消し。それでも4強進んだ川崎の鬼木監督「サッカーはメンタルスポーツ。気にせず次へ」

川崎の小林悠。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

VAR採用で間違いなく増える”ぬか喜び”。指揮官がプレーへの影響を語る。

[ルヴァン杯 準々決勝-2nd] 名古屋 2-2 川崎/2019年9月8日/パロマ瑞穂スタジアム
※2試合トータル川崎が4-2でベスト4進出

 川崎フロンターレが名古屋グランパスとのルヴァンカップ準々決勝の第2戦(セカンドレグ)を2-2のドローで終え、2試合トータル4-2で2年ぶりとなるベスト4進出を決めた。

 この大会の決勝トーナメント(プライムステージ)で、JリーグはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を試験採用している。今回、スコアレスで迎えた前半の12分、縦に抜け出した阿部浩之からのパスを小林悠が決めて、最初はゴールと判定された。しかし、そのあとVARが介入。VARオンリーレビューにより、オフサイドが確認されて「ノーゴール」に判定が覆った。

 川崎は第1戦でVARの確認を挟んで知念慶のゴールが認めらたが、今回、逆にノーゴールに。結果的には、いずれもより正確な判定が下されたわけだが、いずれも判定が”覆った”ことでの選手たちへのプレーへの影響はあったのか? 

 川崎の鬼木達監督は、試合後の記者会見で次のように語った。

「VARに関しては、得点が入れば喜べますし、逆に取消しになれば落胆します。

 選手たちには『気にするな』と、キャプテン(小林)を通じて伝えました。それがすべてではないかと思います。

 サッカーはメンタルのスポーツですので、そこで気にするよりも、次へと切り替えていくことが、ゲームに影響すると思います。その意味で言うと、(ゴールが)取消しになったあともしっかりやれていたと思います。

 そこのところは評価をしたいです」

 VARの功罪とも言えるだろう。VARを本格採用することになれば、正確な判定を手にできる一方、”ぬか喜び”が間違いなく増える。

 今回は試合序盤であり、また川崎が第1戦でリードを奪っていたこともあり、選手のみならず応援していたサポーターを含めて、精神的なダメージはまだ抑えられたと言える。

 しかし、こうしたゴール取り消しが、今後は大一番でも起こり得るということもである(最近では、今年6月のU-20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦・U-20日本代表対U-20韓国代表戦、日本の郷家友也が先制ゴールを決めたが、かなり前のプレーまで遡り、オフサイドの判定で取り消された)。むしろ間違いなく、そういったケースが生じることを、私たちは受け入れなければならない。

 時代のニーズであり、VAR採用は避けられない流れだ。ただ、鬼木監督が言うように「次への切り替え」が、チーム全体としてできるかどうかが、VAR本格導入後は重要なポイントとなってくる。

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[サカノワ編集グループ]

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