【横浜FM】両雄好守連発、GK朴一圭が飯倉大樹との対決を語る「あの半年間はとても濃密でした」
横浜FMの朴一圭。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
僕もチームを助けられるキーパーに――。PK戦の最中は、「見せ場が減るね」と言葉を交わす。
[ゼロックス・スーパーカップ] 横浜FM 3(2PK3)3 神戸/2020年2月8日/埼玉スタジアム2〇〇2
シーズン開幕を告げるゼロックス・スーパーカップ、横浜F・マリノスのGK朴一圭がPK戦では敗れたものの、昨シーズン途中まで同僚だったヴィッセル神戸のGK飯倉大樹との対決で互いに刺激し合い、技を高め合うような展開のなか、惜しくもPK1本差で敗れた。
「(神戸戦は)前半はどんどん前へパスをつけていくマリノスらしいプレーが少なく、ハーフタイムにポステコグルー監督から指摘を受け、そこからリスクを負ってでも前へ行くマリノスらしいサッカーができて、自信を持ってプレーできました」
そのように最後方からチームを見守っていた朴は、選手を入れ替えるなか、90分の中で修正できたチームの戦いぶりについてポジティブに受け止めていた。
そして、前代未聞の9人連続失敗のPK戦。確かにキックミスもあった一方、飯倉が2本、そして朴も1本をビッグセーブを見せている。そこは元チームメイトを相手にした飯倉に一日の長があったと言えたが、朴の意地も光った。
シーズンインを前にしたこの日の埼スタの芝は、ボールが走るところと、止まってしまうところ。その状況にまだバラつきがあったという。それがPKのキックにも影響したようだ。
そうしたなか、朴は飯倉との対決を次のように振り返った。
「(昨シーズン)一緒だったのは半年間だけでしたが、その期間がとても濃い時間でした。僕自身はけっこう苦しみ、もがきながら(飯倉)大樹くんに少しでも追いつこうとやっていました。ただ自分のことに精一杯でしたね、大樹さんのプレーが思い出せないぐらい。今日はもう、『互いに頑張りましょう』と話して臨みました」
PK戦ではキックミスが相次ぐ展開に、「せっかくのキーパーの見せ場が減るね」というような会話もしていたという。PK戦は、本来GKが主役になれる絶好のシチュエーションでもあり、その血が互いに騒いだ。
結果、試合は引き分けたが、PK戦の末にタイトルを逃した。朴はこの結果を真摯に受け止める。
「個人的な勝ち負けではないとしても、大樹くんは今日たくさんシュートを止めていたので(シュート数は横浜F・マリノス18本対ヴィッセル神戸6本)、僕もチームを助けられるキーパーになりたい。そこを目指して、もう一度、トレーニングからやっていきたいと思います」
横浜FMは中3日でアウェーでのACL(アジア・チャンピオンズリーグ)グループステージ初戦、アウェーで全北現代と対戦する。朴は「過密日程や長距離移動は一切言い訳にならないし、今日からシーズンが始まる。まだまだ力が足りないということ。反省材料にして、チームとして一つになって向かっていきたい」と気持ちを引き締めていた。
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[取材・文:塚越始]