【浦和】5発大勝、柏木陽介は引き締める「この試合を基準にしてはいけない」
浦和の柏木陽介。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
新布陣4-4-2のセンターハーフで攻撃を組み立てる。2失点した守備を課題に挙げ、「シュートも打っていきたい」。
[ルヴァン杯 GS1節] 浦和 5–2 仙台/2020年2月16日/埼玉スタジアム
浦和レッズの元日本代表MF柏木陽介が2020シーズン初戦となったルヴァンカップのグループステージ初戦のベガルタ仙台戦、4-4-2の新システムのセンターハーフ(ボランチ)に入って攻撃をけん引し、5ゴールを奪う大勝に導いた。しかし柏木は試合後、「この試合を基準にしてはいけない」と気を引き締めた。
プレシーズン期間は、トップ下気味の2トップなども務めたが、この日は中盤を司るまさに「10番」のポジションが与えられた。ボールを確実に収めてパスを散らして展開。柏木にボールが収まると、チームメイトが信頼して思い切って前へ出ていく。そんなシーンが数多く見られた。
少なからず手応えは得られた。しかし32歳になった司令塔は試合後、勝って兜の緒を締めていた。
「いい部分は出たけれど、今日を基準にしてはいけない。そのように試合後、選手同士でも話し合った。もちろん守備に関して前へ行きつつ(点を)取れたりして、攻撃もいい時間帯のほうがどちらかと言えば長かった。ただ今日の相手を含め、自分たちが『良かった』と判断するのは、ちょっと違っているのかなとも思う。2失点は絶対にいらなかった。そこを突き詰めて反省し、次の試合に臨まなければいけない」
1失点目は主審がファウルの笛を吹いて浦和の選手を呼んで注意している間に、仙台のリスタートからプレー再開。その選手が空けたスペースを使われて失点するなど、シーズン序盤ならではと言える展開でもあった。とはいえ、2失点はいずれも、DF陣とボランチの間のスペースを使われてしまったのは確かだった。
「守備の部分の修正は必要。そこで自分が求められている部分は大きいから、そこらへんもまた考えてプレーしていきたい。(1失点目は)セットプレーの流れで、あのあと主審とも話しました。ただ、その流れの中で2失点目もキックオフからバックパスで失ったボールを拾われ失点した。失点の仕方、時間帯は反省点。ただ、それを後半に持ち込まなかったのは大きかった。危ないシーンも少なかった」
一方、柏木自身のプレーについては、次のように振り返った。
「久しぶりの4-4-2で、結構守備のところは強く、一方、攻撃の部分は『自由にやっていいぞ』と言われていました。どこまで守備をして、どのようなポジショニングでプレーして、どのようなプレーが自分とチームにとってベストなのか。そこを模索しつつ、やっているところはあった。守備は効いているところはあったかなと思うけれど、もう少し埋めていければ」
また、ビルドアップのみならず、柏木はシュートを積極的に狙っていくことをテーマにも挙げていた。
「攻撃の部分で、もう少し前で参加したほうが、さらにボールが落ち着くかもしれない。もう少しシュートに絡んでいきたい。1試合1、2本はシュートを打たないといけないポジション。そこへ出ていきたい。勇気とタイミングを含め、あと前(2トップ)との絡み方は今後突き詰めていきたい。それは試合の中で成長していくしかない。もちろん毎回試合に出られるかは分からない。しっかり準備をしてやっていきたい」
勝利を収めたうえで見えた課題。まだ1試合。しかもリーグ開幕(21日、アウェーでの湘南ベルマーレ戦)はこれからだ。浦和のナンバー10は、ここからが本当の出発だと前を向いた。
関連記事:【浦和】マルティノスが鮮烈ショット「僕に合ったシステム。ヤマもね」
[取材・文:塚越 始]