【浦和】長澤和輝が考える無観客試合に向けて「今だからこそ支え合っているサポーターや地域の人とデジタルで繋がる機会に」
浦和の長澤和輝(右)とエヴェルトン(2019年5月撮影)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ケルン時代を過ごしたブンデスリーガが無観客で再開へ。noteで自身の思いを綴る。
J1リーグ浦和レッズのMF長澤和輝が5月7日、noteで「無観客試合の楽しみ方」と題した記事をアップし、私的な考えとした上で、Jリーグでも無観客試合での再開の可能性が高まるなか、そこに向かうために今何ができるかを考察している。
浦和が清水エスパルスと無観客試合をした2014年、長澤はまだ浦和に所属していなかった。当時は制裁によるもので、現在とはシチュエーションが異なるものの、その時の記事から「(清水の)ゴトビ監督は魂が欠けていると感じた。とまで言いました」というコメントを引用。長澤自身も「やはり試合をしているとサポーターの声援は力になりますし、サポーターの熱烈な応援を目の当たりにするとピッチの上でも、込み上げてくるものがあります。ACLの決勝は特にサポーターの熱量がすごすぎて、ピッチへの階段を登っているときに、涙が出そうになって、『ここで泣いてしまったら試合にならないだろう!』と自分に言い聞かせていたことを思い出します」と振り返っている。
もしも今季、この新型コロナウイルスの影響によるリーグ中断明けに無観客試合を戦うことになった場合、選手たちは「スタジアムでは目に映らない背中を支えてくれているサポーターの存在を、ピッチで感じることが大切だと思います」と、自覚と想像力を持つ大切さを強調する。
そのために、今、このリーグが中断している間、何ができるのか?
長澤は次のように綴る。
「選手は、そのために試合再開までの期間を、多くのサポーターとインスタライブで繋がること。さいたまの子供たちとZOOMで会って話すこと。このリアルに人と繋がれない今だからこそ支え合っているサポーターや地域の人とデジタルで繋がる機会にするべきだと思います」
そのように、オンラインでファンと直接触れ合うことの大切さを強調している。
この記事の中では、さらに「声」、「課題」などをテーマに、長澤の俯瞰した視線で無観客試合に対する考えが示されている。
そしてドイツでの1.FCケルン時代、リーグ制覇を成し遂げている奥寺康彦さん(現・横浜FC会長)がいたお陰で、日本人選手への期待とリスペクトが大きかったことにも触れている。長澤が在籍した2013-14シーズンに2部優勝を果たせた時、多くのサポーターから「1部に連れていってくれてありがとう」と言われたことが心に残っていると語る。
「そうなるともう選手はクラブの歴史の中のほんの一幕にしか過ぎない」「つまりサポーターが主役であり僕たち選手は脇役というか、彼らの期待に応えることが僕たち選手の役目だとケルンでつくづく思いました」
長澤は、無観客試合の場合、サポーターがどのように戦おうとしているのか。どうすれば共感しあえる雰囲気を作り出せるのか。ともに考えていきたいとも記している。
その意味で、16日に再開が決まったドイツ・ブンデスリーガが、どのように放送されるのか、サポーターがどのように応援するのか、注目していきたいと締めくくっている。
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[文:サカノワ編集グループ]