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成熟の浦和ホットライン「興梠慎三―柏木陽介」を日本代表にどうだろうか?

興梠慎三と柏木陽介。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

長澤和輝の2試合連続ゴールに波及効果。

 浦和レッズの興梠慎三と柏木陽介のホットラインが、今改めて成熟期を迎えている。

 今季のみならず、二人はこれまでも数多くのゴールを浦和にもたらしてきた。ただ、ここに来て、二人の存在感が改めて突出している。

 最近の浦和は3連勝。横浜F・マリノス戦で2得点(〇2-0)では柏木が不在だったが、その後、二人の揃ったヴィッセル神戸戦で4得点(〇4-0)、柏レイソル戦で3得点(〇3-2)と攻撃に一段と厚みが生まれた。

 その2試合で3ゴールを決めた興梠は「自分一人のゴールではない。陽介でなければ、あのようなパスは出てこない。感覚で分かり合える」と、柏木への信頼を語っていた。一方の柏木は「慎三は練習でも試合でも何回も決めてきてくれた。どこに出してほしいか言葉にしなくても分かっている。(神戸戦は)最高のアシストと最高のゴールになった。今年一番のアシスト。あれを決められるのは慎三だけ。慎三の能力を信じていたし、信頼関係がある」と、興梠のことを絶賛していた。

 加えてこの2試合で先発に入った長澤和輝も、「柏木選手から興梠選手への縦に良いパスが出る。そこで自分も信頼して前へ攻撃に加わることができている」と語っていた。思い切った飛び出しからの長澤の2試合連続ゴールは、『興梠―柏木』のホットラインの波及効果と言えた。

 もちろん、2022年のカタール・ワールドカップを見据えれば、興梠は32歳、柏木は30歳と年齢的には高い。それでも、森保一監督のスタイルの”源流”であるミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもとで3-4-2-1スタイルに長年取り組んできた二人だ。3-4-2-1スタイルを浸透させたり、チームとしての戦術的な成長速度を急加速させるのであれば、彼らを招集する効果は数え切れない。

 森保監督も世代交代は必須だと考えるが、東京五輪代表との兼任監督であることを踏まえ、自然な若手の合流――その時々での「最強の日本代表」を呼んでいくことを示唆している。

 9月シリーズでは川崎フロンターレの「小林悠―大島僚太」のホットラインがセットで呼ばれたが、大島がケガのため辞退している。森保監督が、ホットラインの登用を考えていることも分かる。

 オーバーヘッドを外した興梠が「あと3歳ぐらい若ければ……」と冗談めかして言ったが、代表招集にも、その年齢が一番のネックになりそうだ。それでも柏木はカタールW杯を目指すとも明言している。今日10月4日、日本代表のパナマ戦(10月12日/新潟)、ウルグアイ戦(10月16日/埼玉)に向けた日本代表が発表される。今Jリーグでも一番のホットなライン、興梠慎三―柏木陽介をどうだろか。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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