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Jリーグ突破口はないのか?政府が新規入国停止継続、新監督と外国籍選手の来日目処立たず

来日の目処が立たずにいる鹿島のレネ・ヴァイラー監督(右)、浦和のスウェーデン代表MFダヴィド・モーベルグ。 (Photo by Nigel Roddis/Getty Images)(Photo by Alexander Hassenstein/Bongarts/Getty Images)

多くのチームが始動へ。W杯予選実現のような「高い公益性」がポイントに!?

 日本政府は新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大に伴い、昨年11月から施してきた外国人の新規入国の停止措置をさらに継続する方針を固めたという。一部報道では、まず2月末まで続ける方針とのこと。岸田文雄首相が11日にも説明するそうだ。

 Jリーグは今週、新体制発表のピークを迎え、多くのクラブが2022シーズンに向けて練習・キャンプに突入する。しかし、この措置が続く場合、鹿島アントラーズのスイス人レネ・ヴァイラー監督、サンフレッチェ広島のドイツ人ミヒャエル・スキッベ監督が事実上入国できない。

 さらには、新外国籍選手も合流の目処すら立たない。

 ジュビロ磐田の東京五輪ブラジル代表である金メダリストのDFリカルド・グラッサ、浦和レッズのスウェーデン代表MFダビド・モーベルグ、ガンバ大阪のMFダワン、セレッソ大阪のFWジェアン パトリッキ、ジェフユナイテッド市原・千葉のブラジル人DFダニエル・アウベス、ヴァンフォーレ甲府のブラジル人FWブルーノ パライバとDFレナト・ヴィスキ、ベガルタ仙台の韓国人DFキム・テヒョン――など。今季の注目株と言える楽しみなタレントが足止めを食らったままだ。

 昨季開幕前も徳島ヴォルティスのスペイン人ダニエル・ポヤトス監督をはじめ、さらには多くの外国籍選手が開幕に間に合わず。徳島はJ2降格の憂き目にあっている。

 そうしたなか昨年夏の移籍期間、Jリーグは福島県楢葉町のJヴィレッジを活用した「Jリーグバブル」を形成。14日間、完全隔離にしながら調整することで、実際クラスターなど起こることなく、選手たちは無事合流していた。

 昨年夏から政権が交代した影響もあるだろう。とはいえ、彼らの入国と現在の感染状況は明らかに別問題。1年前はやむを得ないとどのクラブも受け入れていたものの、何より昨季開幕時と同じ轍を踏むことだけは避けたい。世界におけるJリーグの評価・評判の低下にもつながりかねない。

 オミクロン株は、日本代表の活動にも影響を及ぼす。12月21日のキリンチャレンジカップのウズベキスタン代表戦の中止が決まった。しかし一方、27日の中国代表戦、2月1日のサウジアラビア戦が組まれるカタール・ワールドカップアジア最終予選のホーム2試合(埼玉スタジアムで開催予定)は「高い公益性」により、バブルを形成するなど厳戒な検疫体制のもとでの開催が決まっている。

 その「高い公益性」が今後のポイントか。Jリーグやプロ野球も十分、該当するのではないか。選手の基本的な行動追跡と定期的な検査も確約されている状況である。

 そしてサッカー界はワールドカップイヤーにあたる。そのため国内外のスケジュールが凝縮されていて、今季2月の開幕ととともに怒涛の連戦が11月まで続く。

 そこで日本のライバルに加え、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)など世界の戦いをも勝ち抜くには、そうした外国籍選手・スタッフの力が間違いなく必要である。そしてこのオフに日本から欧州に渡った選手はすでに新天地に合流、実戦デビューを果たしてもいる。

 昨年から多くの投資をしたクラブのほうが尋常ではないリスクを負う理不尽な状況が続いている。果たして突破口はないのか。

 11日にはNPB・Jリーグ合同の新型コロナウイルス対策連絡会議が予定されていて、そこで専門家チームから、この新規入国に関する説明もありそうだ。そして村井満チェアマンの任期が今年3月末までと迫るなか、Jリーグには早急に、このコロナ禍で築いたコネクションの活用、関係省庁が多岐に渡るものの思い切った交渉など、何かしらの手を打つことも求められる。

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[文:塚越始]

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