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【浦和】伊藤敦樹が明かす「キャプテン」と「海外移籍」で揺れた思い。目標は日本代表でのW杯出場、KAAヘント移籍のため離脱

浦和の伊藤敦樹。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「今回移籍を決断した一番の理由は…」

 J1リーグの浦和レッズは8月10日、伊藤敦樹(Atsuki ITO)が海外移籍を前提した手続きと準備のためチームを離脱すると発表した。主力の退団に伴いオファーのあったベルギー1部KAAヘントに完全移籍することが濃厚で、あとはメディカルチェックを残すのみとなっている。

 伊藤はクラブを通じて、2000字以上のメッセージを発表した。そのなかで、7月に就任した「キャプテン」としての責任、そして「海外挑戦」に揺れた思いを語っている。

「僕にとって、浦和レッズの選手でいることや、浦和レッズのキャプテンを務められることは本当に特別です。7月にクラブからキャプテン就任の打診を受け、それを引き受けさせていただいたのは、浦和で闘いたい、浦和でリーグ優勝したい、そしてその中心に自分がなりたいという気持ち、ならなければいけないという覚悟があったからです。

 ですが同時に、海外でプレーしたいという夢もずっと持っていました。ご理解を得ることは難しいかもしれませんが、どちらの気持ちも偽りのない本当の気持ちで、どちらの気持ちにもこれまで本気で向き合ってきたことは胸を張って言えます」

「家族や信頼できる人からの意見や助言にも本気で向き合いました。僕はこのクラブが本当に大好きで、この街、このクラブで育ち、クラブワールドカップという大きなチャレンジに向けてクラブが前を向いている中、しかもキャプテンをやらせてもらっていて、それでクラブを離れて良いのか。海外でプレーするチャンスを見送って、個人としての挑戦を先延ばしにした先に、次のチャンスをつかむことは年齢的に現実的な選択肢なのか。

 このクラブでサッカー人生を終えるという考えもあった中で、今回移籍を決断した一番の理由は、自分のこれからのキャリア、選手としてどうなりたいかを考えたときに、日本代表として日の丸を背負って2026年のワールドカップでプレーしたいという気持ちがとても大きく、そのためにはこのタイミングで挑戦するのが一番良いと考えたからです」

 そして日本代表としてワールドカップ出場を目指すラストチャンスでもあると考えたという。

「(日本代表で)他の代表選手たちから強烈な刺激を受けたことで、この気持ちは日に日に大きくなってきました。クラブからは強い慰留を受けましたが、最後は『アカデミー出身選手がチームを引っ張り、成長させることはとても重要なことだけど、個人として成長した姿を世界の大舞台で見せることで、アカデミーの選手が目標にしたり憧れる存在になることも重要だ』と言ってくださり、僕の意志を尊重してくださったことを本当に感謝しています」

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 ベルギーリーグはすでに開幕。ヘントは1勝1敗で7位につけている。

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