【東京五輪】1年後へ「精力的に準備」。安倍首相は「完全な形での開催」を改めて強調
国立競技場。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
方針に大きな変更なし。ワクチン開発が重要なポイントに。
安倍晋三首相は5月25日、5都道県に発出されていた緊急事態宣言を解除すると発表した。これで全都道府県の緊急事態宣言が解除された。
そのあとの記者会見で、1年後の延期が決まった東京オリンピックについて、現在の準備の進捗具合、また大会開催時に選手・スタッフをはじめとする大規模なPCR検査を実施するのかどうかなどの質問を受けた。
これに対し、安倍首相は次のように答えた。
「現在、大会を主催するIOC(国際オリンピック委員会)、そして大会組織委員会等が来年の開催に向けて、精力的に準備を進めていると承知しています。
新型コロナウイルスとの闘いは、長期戦も覚悟しなければいけないと思っています。政府としては来年の夏、人類が新型コロナウイルス感染症に完全に打ち勝った証として、完全な形で東京大会を開催したいと考えていますし、そういう方針であります」
そのように、あくまでも「完全な形での開催」へのこだわりを強調した。そのうえで、次のように続けた。
「しかし、そのためにも日本だけで感染が収束すればいいというわけではもちろんなく、オリンピックは世界中の方々がやって来ます。この国内外の英知を結集し、治療薬、そしてワクチンの開発を急ぎたいと思っています。
もちろん国内において、そのPCRの検査体制、抗原検査を強化していくことに関しては、体制を整えていくことは、もちろん重要ですが、やはりオリンピックを開催するうえで治療薬、ワクチンが極めて重要であると考えています」
基本的な方針に変わりはなく、ワクチン開発が間に合うかが重要なポイントであるとの認識を示した。
サッカー競技に関しては、現在大会用に指定されているスタジアムをそのまま活用できるおかどうか。練習場も同様に確保できるのか、また、五輪開催中のJリーグ開催は見送るのか。さらには芝の張り替えを改めてしなければいけないなど、細かい点を含めると課題は多い。新型コロナウイルスの影響により、全クラブが経営に大きな打撃を受けるなか、五輪開催となった場合、もちろんプラスの面もある一方、また新たな課題と問題も出てきそうだ。
五輪開催の最終判断の時期について、安倍首相は今回明言しなかった。
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[文:サカノワ編集グループ]