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【横浜FC】三浦知良が主将としてJ1最年長出場「みんなの気持ちを腕章に込めて戦った」

オンラインでの取材に応じた横浜FCの三浦知良。27年前に等々力で決めた自身のJ初ゴールの話題を振られ、「言われて、今、思い出しました」と笑った。協力:川崎フロンターレ・横浜FC

53歳6か月、中山雅史の記録を大幅更新。次は「よりゴール前で」仕事をして、得点を狙う!

[J1 18節] 川崎 3-2 横浜FC /2020年9月23日/等々力陸上競技場

 横浜FC戦のJリーグ最年長53歳のFW三浦知良がJ1リーグ18節の川崎フロンターレ戦で先発出場し、J1歴代最年長出場記録を更新した。

 三浦は53歳6か月28日で出場。これまで1位だった2012年にコンサドーレ札幌(現・北海道コンサドーレ札幌)の中山雅史が記録した45歳2か月1日を大幅に更新した。

 三浦は試合後のオンラインによる記者会見で、ピッチに立った時の心境を次のように語った。

「本来であれば(佐藤)謙介、田代(真一)も先発していたので、キャプテンは彼らのどちらかでしたが(編集グループ注:今季主将は南雄太、副主将は伊野波雅彦、齋藤功佑。昨季主将が南、副主将が佐藤、田代、北爪健吾)、監督を含め、謙介、田代とも僕に『キャプテンを』と言ってくれて、キャプテンマークを巻かせてもらいました。選手をはじめ、みんなの気持ちをその腕章に込めて、責任を持ったプレーを見せたいと思ってグラウンドに立ちました」

 首位に対してスペースに顔を出してボールを引き出し、ポストプレーからチャンスを作り出した。1-2で迎えた56分、父親のほうがカズより一つ年下という19歳の斉藤光毅と交代。その後、1点ずつを取り合い、横浜FCが猛追したものの1点及ばず、試合は2-3で敗れた。

 結果は0ポイント、ただ善戦したとも言える。そのうねりをもたらしたのは、紛れもなくキングKAZUだった。

「フロンターレの圧力がかなり強く、守る時間が長くなるのは分かっていましたが、11人で守りの意識を高くコンパクトに、粘り強くやろうと戦っていました。いい形でビルドアップが上手くいった時は、中盤で受けることができましたが、最後のペナルティエリア付近での仕事というのは、どうしても少なかったので、自分自身としても物足りなかったと感じました。もちろん個人の問題もありましたが、チームとしての問題でもあり、フロンターレのような相手でもどのように崩すのか。特に前半(チームのシュート1本)は課題を残しました。逆にフロンターレは最後の仕上げが素晴らしいので、この経験を次に生かしていきたいと思います」

 三浦はそのように、もう一つ高いポジションでボールに絡めるようになりたいと課題を挙げた。

 ちなみに等々力陸上競技場は1993年、三浦がJリーグ初ゴールをVゴールで決めている。ただ、「言われて、今思い出しましたよ(笑)」と、27年前の過去を顧みてはいなかった。今なお、さらに進化を遂げようと、現在を駆け抜ける。

 一方、最年長出場については、横浜FCにかかわるすべての人に感謝をしていた。

「クラブ、監督を含めたスタッフ、選手、横浜FCのみんなに感謝したいです。僕がこうしてグラウンドで試合に立てるのは、みんなの力、助けがあるからこそ。先発でJ1の舞台に立てて、本当にみんなに感謝したいです」

 そしてカズは次を見据えていた。

「公式戦の出場は1か月以上空いたので、自分自身も試合の入り方は気を付けました。ただ、もっとボールにかかわってチャンスに絡んでいきたい。そのへんは物足りなかったですが、フロンターレを相手に自分がこうして戦えたことは次につながります。この経験を、個人としても、チームとしても次のリーグ戦に生かします」

 元日本代表FWのカズには1994年に鹿島アントラーズのジーコ(現・スポーツディレクター)が記録した41歳3か月12日のJ1リーグ最年長得点の更新への期待も懸かる。ここからリーグ戦の連戦はまだ続くだけに、コンディションをキープできれば、再びチャンスは訪れそうだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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