”チームメイト”カズは父と同年代。17歳の斉藤光毅が日本をU-20W杯へ導く
横浜FCではチームメイトになるU-19日本代表の斉藤光毅(左)、元日本代表エースのカズこと三浦知良(右) (C)Takamoto TOKUHARA (C)AFC
アジア選手権2戦連続ゴールを決めた横浜FCのアタッカー。「カズさんからとても刺激を受けています」
[U-19アジア選手権 GS3節] 日本 – イラク/2018年10月25日/パカンサリ/インドネシア
U-19日本代表が10月25日、グループステージ(GS)最終節のイラク戦に臨む。GS2連勝の日本はすでに1位通過での決勝トーナメント進出を確定させていて、28日の準々決勝ではホスト国インドネシアと対戦することも決まった。
17歳の斉藤光毅は北朝鮮戦(〇5-2)での先制点、タイ戦(〇3-1)での2点目と、2試合連続で貴重なゴールを決めてきた。イラク戦前日の24日、斉藤は「2試合連続で点を取れて、結果を残せたていることは良かったと思いますが、決してパフォーマンスがいいわけではありません。そこはしっかり反省し、改善して、これからの試合に臨んでいければと思います」と語った。
「守備でも貢献できること。1、2試合ともミスが目立っていたので、そこをなくして、すべてで相手を怖がらせられるような、そういうプレーを出していきたいです」
斉藤はそのように気を引き締め、決して現状のパフォーマンスに満足していなかった。むしろ、これからだと言わんばかりだった。
横浜FCのチームメイトである51歳のカズこと三浦知良とは実に34歳差。今季J2の3試合に出場している斉藤とは、ある意味、ポジションを争うライバルでもある。
「僕はここに横浜FCの代表としても来ています」と斉藤は言い、U-19アジア選手権に向かう際には、カズから「頑張れよ!」と声を掛けられ、気合が入ったそうだ。斉藤によると、自身の父親とカズは「確か同い年か、ひとつ違うぐらい」。親子のような年齢差の選手が同じピッチで戦っている。まさに年齢など関係のない世界だと象徴するエピソードだ。
「カズさんはすごく憧れの存在です。これから、さらにいろいろ吸収していきたいと思っています。本当にとても刺激を受けています」
そうした斉藤の自身の言葉で伝える発言力には、すでにどこかカズの影響も感じられた。
久保建英とともに今大会のメンバー中の最年少にあたる。環境にも、対戦相手にも、柔軟に対応し、一瞬の閃きからゴールを陥れる。センスは同世代のタレントとともにプレーすることで、さらに磨き上げられている。
「みんな上手いので、スルーパスとか常に狙っていて、そのなかでドリブルからの得点も狙っています。泥臭い形でも構わない。いろんな形からゴールを決められればと思います」
斉藤はさらに貪欲にゴールを狙っていこうと決意を示す。
来年のポーランドU-20ワールドカップの出場権を懸けた準々決勝は28日の日曜日、地元のインドネシアと首都ジャカルタで対戦することが決まった。斉藤がその大一番でも期待を力に変えて魅せてくれるはずだ。
まずは「グループステージ突破の望みを残し本気で戦ってくるイラクを、我々は全力で打ち負かしにいく」(影山雅永監督)というグループ最終戦。斉藤はターンオーバーでベンチスタートに回る可能性もあるが、出番が訪れれれば3試合連続ゴールに期待が懸かる。
インドネシアでの1日1日、逞しさを増している。17歳の新鋭アタッカー斉藤光毅が、日本の最前線でさらにここから輝こうとしている。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI