U-21日本代表の渡辺皓太が嫉妬!? 東京V劇的弾演出のGK上福元に「なんでもできちゃう」
東京Vの渡辺皓太。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
同世代が数多い磐田との対戦。「相手のほうが立場は上。絶対にひっくり返したい」
[J1参入PO 2回戦] 横浜FC 0-1 東京V/2018年12月2日/ニッパツ三ツ沢球技場
東京ヴェルディのMF渡辺皓太はJ1参入プレーオフ(PO)2試合連続で先発し、2回戦の横浜FC戦ではフル出場を果たして、アディショナルタイムの劇的ゴールによる勝利に貢献した。
その横浜FC戦ではボランチでプレーし、思うようにパスを散らすことはできなかった。それでも体を張って相手に起点を作らせず、ときに一回りも二回りも体の大きな相手のエース・イバへのしぶとい守備で自由を与えなかった。
「このPO2試合すごくいい勝ち方をできたので、このまま行けると思います。あと1試合できるので、そこでこれまで以上のプレーをしたいです」
時間が経つにつれての焦りは少なからずあった。ただ、心のどこかで、「いける」という自信もあった。スコアレスの状態は、むしろ自分たちのペースだと感じていた。
「0-0のままアディショナルタイム7分と表示されて、引き分けでも大丈夫な相手チームより、勝たなければいけない僕たちのほうが心理的にも強いと思いましたし、その差を出せました。相手が少しでも守ろうとして瞬間に上回れると感じていました。絶対に出ますから、気持ちって」
アディショナルタイム90+6分で掴んだ2本目のコーナーキックからのゴール。佐藤優平のキックに、攻め上がったGK上福元直人がヘッドで合わせ、相手GK南雄大が弾いたところに、ドウグラス・ヴィエイラが飛び込んだ。
これは、もしかしたら、何かあるかもしれないぞ――。渡辺はそんなスタジアムの雰囲気を感じ取っていた。
「感じました。それにヴェルディ側に攻めていましたからね。行けるって思いました。サポーターのお陰でもあります」
決勝ゴールをダイビングヘッドから演出したGK上福元は9つ年上の先輩だが、渡辺は嫉妬するかのように、ただただ関心しっぱなしだった。
「いやぁ、さすがです。なんでもできますからね。僕よりヘディングが上手いです」
若い選手が多いなか、さまざまな経験を積んでこのピッチに立った上福元が決めたことで、チームの一体感もさらに増して、加えて引き締まった。
12月8日のJ1参入プレーオフ決定戦はジュビロ磐田との対戦に決まった。相手チームにはU-21日本代表のアジア大会を戦ってきた同僚の大南拓磨をはじめ同世代の仲間でありライバルが数多くいる。それも闘争心を一段と駆り立てる要因になっている。
「立場的にはJ1の向こうが上。絶対にひっくり返した」
まだ20歳と若いが、渡辺がこれまでのサッカー人生を懸けた勝負のピッチに立つ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI