【神戸】三浦淳寛新監督の一問一答全文。家族の反応は?「妻と娘に報告すると…」
神戸の天皇杯優勝の一コマより。上段右から二人目が三浦淳寛氏。フィンク前監督らの姿も。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「監督を決定できる立場。自分自身が監督を引き受けることに、納得できるかと葛藤はありました」
[J1 19節] 神戸 – 札幌/2020年9月26日19:00/ノエビアスタジアム神戸
ヴィッセル神戸の三浦淳寛新監督が9月25日、北海道コンサドーレ札幌戦を前にメディア取材に応じた。トルステン・フィンク前監督の電撃退団を経て、就任2日目、新指揮官は様々な葛藤があったと明かすとともに、今後への熱い思いを語った。
――どのような葛藤があったのか?
「もちろん自分の立場はスポーツダイレクター、強化責任者なので、監督を決定できる立場でした。それが頭の中にありま、自分自身が監督を引き受けることに、自分が納得できるかと葛藤はありました」
――その中で就任を決めた理由は?
「(監督不在の)空白の時間を作りたくありませんし、このスタイルを継続できる監督を探さなければいけなかった。そのなかで立花社長から話があり、自分自身は突然のことだったので迷いましたが、最後は心としっかり向き合い決断しました」
――2015年にS級ライセンスは取得しているが、初めての監督の仕事。いずれは監督をしたいと考えていたのか?
「もちろんです。監督を将来的にやりたいと思いS級ライセンスを取得しました。それがこのヴィッセル神戸で、とは当時考えていませんでした。どこかでチャンスがあった時、自分の名前が挙がり、指導ができればと思っていました」
――ご家族に報告された時の反応は?
「妻と娘に相談しました。正直、二人はビックリしていました。どうするの? と。話(オファー)をいただいた晩、しっかり伝えて話し合いました」
――これまでのチーム状況をどのように受け止めているか。
「これまでの状況は当然納得していません。これからの(すでに優勝の可能性が低くなっている)リーグ戦を含め、フィンク監督とどのように一つひとつ上っていくのか話していました。それだけに残念な思いではあります。今シーズンの入りはとても良かった。勢いに乗っているなかで、コロナ禍の影響を大きく受けました。とはいえその後、困難な状況は続いているものの、マイナスの部分だけではなく、若手にはチャンスがあり、今いる選手の力は非常に上がっていると感じています」
――どのようなスタイルにしていくのか?
「これまで言ってきたことと変わらず、ゲームを支配したい。ボールを持つ時間を長くして、チャンスを作り得点していく。攻撃的なポゼッションスタイルを思い描いています」
――スポーツダイレクターから監督になることの葛藤について。もう少し詳しく。
「僕自身そこに関して、一番葛藤がありました。とはいえ試合は進んでいきます。フィンク監督とホームでなかなか勝てない、その苦しい状況のなかでどのように打開するのかという話し合いをずっと続けていました。結果が出ていないことは、もちろん私自身に責任があります。それをどのように改善していくのか、ずっと考えていました。この話をもらった時、果たして受けていいのか、他の監督を探しながら、代行で続けてもらったほうがいいのか、答えを出すのに時間は掛かりました」
――ミーティングで選手に語ったことは?
「もちろん対戦相手についてのミーティングも行いました。我々のやりたいサッカー、スタイル、そこはブレずにやっていこうと強調しました。最終的には結果が出なければ、監督が責任を取ることになると選手に伝えています。ただ、選手の持ち味をいかに引き出すのか。どのようにスタイルを確立していくのか。私の考えを落とし込む作業をしました」
――神戸のOBでもある。サポーターへの思いは?
「監督をやるという覚悟を決めた以上、これからは選手たちの力を引き出しながら、一緒に神戸というチームが強くなるため、僕自身、覚悟を固め全力で臨みます。サポーターの皆さんには、現役の頃から非常に支えてもらってきました。チームが苦しい時でも、サポーターの声は選手にもクラブスタッフにも届いています。一致団結の合言葉のもと、サポーターの力を借りながら、1パーセントでも高い勝てる確率を模索しながら頑張っていきたいです」
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[取材・文:塚越始]