【高校選手権】「メディシンボールで練習」内田篤人氏がロングスローの特訓をした過去を明かす
そのフォームも絵になる鹿島時代の内田篤人氏のスローイン(2020年2月撮影)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
決勝で魅せた二人のスローアーに、「ここまで飛ばすことはできなかった。本当に努力をしている」。
[高校選手権 決勝] 山梨学院 2(4PK2)2 青森山田/2020年1月11日14:05/埼玉スタジアム ※45分ハーフ
全国高校サッカー選手権決勝、山梨学院が青森山田との延長110分間の死闘を2-2で引き分け、その後のPK戦を4-2で制して11大会ぶり二度目の優勝を果たした。一方、3年連続の決勝進出を果たした青森山田だったが、2大会連続で準優勝に終わった。
この試合、青森山田は内田陽介、山梨学院は新井爽太がロングスローを担当。相手陣内の高い位置でスローインを得られれば、FKに近いチャンスになり脅威を与えた。相手に対し、外に簡単にボールを出させないというプレッシャーをも与え続けた。
ただ、今大会の話題になったロングスローだが、決勝は両チームともに高いレベルで対策を練り、相手のパターンによって、二段、三段構えでボールを弾き出し、マイボールにするところまで研究されていた。
それぞれ最後までロングスローへのこだわりを見せていた印象を受ける。ただ例えば、青森山田が5レーンのハーフスペースを効果的に攻略できていた時間帯、逆に大味になりがちなロングスローより、普通のスローインからチームの一番の武器である地上戦を徹底しても良かったのではないか――と思わせるなど、ここでもまた議論をもたらした。
日本テレビの中継で「応援リーダー」として決勝を解説した内田篤人氏は、自身も清水東高校から鹿島アントラーズに加入した1年目、パウロ・アウトゥオリ監督のもと、ロングスローの特訓をしたことを明かした。
「プロ1年目、サイドバックだったこともあり、メディシンボールを使ってスローインの練習をしたこともあります。ただ、ここまで飛ばすことはできなかったので、本当に努力をしていると思いました」
内田氏としても工夫を試みたが距離は伸びなかっただけに、この大舞台での“貴重な武器”と、そのロングスローの球筋やクオリティを含めて称賛していた。
ただ、一般的にスローインはサイドバックが担当することが多く、その後のリターンの処理を含めてセンスが問われる。10代だった内田氏にとって、スローインの戦略的な重要性をより知ることになる“メディシンボール”だった。
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[文:サカノワ編集グループ]