「2番をつけろ」鹿島復帰の安西幸輝が内田篤人との会話を明かす。当初は遠慮したが…
2018年の新体制発表会見。安西幸輝(32番)と内田篤人(2番)が並ぶ。39番は犬飼智也、19番は山口一真、31番は沖悠哉。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
アントラーズの「2番」の重みを理解しているからこそ、覚悟を固める。
ポルトガル1部ポルティモネンセSCから鹿島アントラーズに完全移籍で加入した日本代表DF安西幸輝が7月21日、オンラインによる取材に応じて、2年ぶりに復帰した鹿島での決意を語った。
ファンにサプライズをもたらしたのが、背番号「2」に決まったこと。昨季途中で引退した内田篤人がつけていたクラブにとっても特別なナンバーである。
この移籍の話が決定的となった際、内田から「2番をつけろ」と直接言われたそうだ。
日本代表、欧州リーグ、鹿島と、いずれも「篤人くんのような実績がない」こともあり、「2番は厳しいっす」と安西は当初遠慮した。
ただ、誰かがつけることになる。それが“誰か”ではなく自分であるべきだとも思った――その2番の重みを理解しているからこそ。
安西は「次に誰がつけるのかとなった時、他の人に譲りたくなかった」と言い、「篤人くんから『鹿島の2番を安西のものにして、次に託したい選手が出るまでつけろ』」と背中を押された。
そうした安西が心を打たれ逡巡していると、内田から「2番付けろ、さよなら」と一方的に電話を切られた。
「もう、つけるしかないなと……」安西は再び鹿島に来た覚悟を、この背番号に込めて戦う覚悟を固めた。
そして「やはり練習から独特の空気が流れている」と実感した鹿島で、もう一度、2018年の鹿島加入時のようにトレーニングから無我夢中に取り組み、一つひとつチャンスを掴んでいきたいと誓う。
「必ずアントラーズのために戦いたいと思ってきました。できればもう少しステップアップして帰ってくるイメージで少し早くなってしまいましたが、26歳になり1年後にはワールドカップもあります。Jリーグ、アントラーズで活躍して力になり、この2番をつけて、ワールドカップに行きたいです」
鹿島の背番号「2」安西幸輝が、気持ちを新たにJ1リーグの戦いに挑む。
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[文:塚越始]