有望視された平山ら「北京五輪世代の最年長」はW杯の舞台に立てず
本田圭佑 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
“弟世代”本田、岡崎が復活し、長友がけん引。
FIFAワールドカップ(W杯)・ロシア大会では、本田圭佑がW杯3大会連続ゴールを決め、岡崎慎司も献身的なプレーで貢献。長友佑都はしっかり本大会にコンディションのピークを持ってきて、チームをけん引した。いわゆる「北京五輪世代」の30代が、このW杯を挟んでいろいろな面で注目を集め、結果を残した。
本田、岡崎、長友、さらに初招集された東口順昭も1986年生まれ。ケガで代表入りを断念した青山敏弘もだ。
また、ポーランド戦にフル出場した槙野智章は87年生まれ。2大会連続で最終ラインを支えた吉田麻也、そして今大会2ゴールを決めた乾貴士は北京五輪世代の中で最も年下の88年生まれだった。
結局、北京五輪世代の最年長である85年生まれは、2014年の前回ブラジルW杯に伊野波雅彦が選ばれたのみ。彼も大舞台のピッチを踏むことはできなかった。
すなわち平山相太、カレン・ロバート、増嶋竜也、水本裕貴、水野晃樹ら将来を有望視されたタレントが数多かった北京五輪世代の”長男”といえる世代は、誰もW杯の舞台に立てなかった。もちろん2022年のカタールW杯も狙えないわけではないが、徐々に引退する選手も増えており、年齢的には厳しくなってきたと言える。
そのなかで85年生の李忠成、伊野波は2011年のAFCアジアカップ・カタール大会で優勝に貢献し、インパクトを残している。それでも2005年のワールドユース(U-20ワールドカップ)・オランダ大会や2008年の北京五輪に向けて最も強化に力を入れてきた世代が結局、伸び悩んだというのも事実。日本の育成・強化についても考えさせられる”結果”だ。
文:サカノワ編集グループ