【NZ戦PK戦勝利】谷晃生へ川口能活GKコーチが掛けた言葉「自信を持てば止められる。ヒーローになってこい」
日本対ニュージーランド戦、緊張の面持ちでPK戦に臨んだ谷晃生。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
東口順昭の背中を追ってきた、日本の新守護神候補――。
[東京五輪 準々決勝] 日本 0(4PK2)0ニュージーランド/2021年7月31日/カシマサッカースタジアム
東京オリンピックのサッカー男子・準々決勝、日本代表がニュージーランド代表との延長120分間をスコアレスで終え、PK戦を4-2で制して、2大会ぶりのベスト4進出を果たした。準決勝は8月3日、スペイン代表と対戦する。
PK戦で2本を阻止(2本目セーブ、3本目が枠外へ)し、4強進出へ導いたのがGK谷晃生だった。
その運命のPK戦に突入する前、川口能活GKコーチが谷に「メモ」を見せながら、説明するシーンが映し出された。
「相手のキッカーの情報などを紙に書いてくれて、バーっと見ていたんですけれど、なかなか覚えきれなくって(苦笑)。でも能活さんからは最後に『お前の判断で、自信を持ってやれば絶対に止められる。ヒーローになってこい』と送り出してもらいました」
むしろ、ゴールキーパーが「主役」になれるPK戦を迎えられることを堪能してこい、という前向きな視点。その思いを共有し合うように谷は強烈な集中力を発揮。
そのメモの効果があったのかどうかは分からないが、2本目のリベラト・カカーチェのキックは完璧にセーブ。谷は「バッチリとタイミングがあいましたし、良かったと思いました」と振り返る。
「120分間難しいゲームになりましたけれど、無失点に終えられたことが勝ちにつながったと思います。(準決勝はスペイン戦)もちろん難しいゲームになると思いますけれど、でも、自分がしっかり仕事をして、勝利に導けるように、今日もう切り替えて最善の準備をしたいと思います」
現在はガンバ大阪から湘南ベルマーレにレンタル移籍中である。G大阪の日本代表GK東口順昭の背中をずっと追いかけてきた。
谷はこの大会前、東口について、次のように語っていた。
「(最も影響を受けた人物は)東口選手です。東口選手を見て、どのようなシチュエーションでどのようなポジショニングをとるのかを学びましたし、体をどのように使ってシュートを止めているのかもずっと後ろから見ていました。そういったことが間違いなくいい形で吸収されていきました」
20歳の守護神がこれまでの蓄積を発揮したPK戦での勝ち上がり。そして日本の守護神候補へも名乗りを挙げたと言える。
メダル獲得まで、あと1勝――。谷が日本を勝利へと導く。
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[文:サカノワ編集グループ]