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【浦和】PK弾アシストの酒井宏樹「声援が大きな力をくれた」。一方、興梠頼みの攻撃に課題を挙げる

酒井宏樹。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ようやく掴んだ安堵の今季初勝利、「長かった勝点3、みんなで大事に味わいました」。

[J1 3節] 浦和 2-1 C大阪/2023年3月4日15:00/浦和駒場スタジアム

  J1リーグ3節、浦和レッズの日本代表DF酒井宏樹がセレッソ大阪との一戦、右サイドバックとしてフル出場し、今季リーグ初勝利に貢献した。

 1対1のデュエルなど確実にC大阪の攻撃の芽を潰していく安定したパフォーマンスを発揮。加えて上下動でも揺さぶりをかけ、ダヴィド・モーベルグをはじめ選手の距離感も改善されて、タイミングよい飛び出しも見せていった。

 そして60分、酒井のピンポイントのスルーパスに抜け出した興梠慎三が、鳥海晃司に後ろから腕をかけられてPKを獲得。このキックをアレクサンダー・ショルツが成功! 待望の今季チーム初ゴールをもたらした。

 酒井は試合後、課題を挙げつつも安堵の笑みを浮かべた。

「欲を言えば守備面ではクリーンシート、無失点に抑えたかったです。チームにとっては、すごく勢いの出る勝ち方でした。何より勝たなければいけなかった。結果オーライと言えますが、最低限のことはできたと思います」

 先制点を決められる苦しい展開だったが、酒井は「まず1点」とゴールへの意識をより強めたと言う。

「(C大阪の先制は)オウンゴールだったので、しょうがなかったです。勝利うんぬんより、まず1点を返すこと。そこが大事でした。あとは会場の雰囲気が後押ししてくれると思っていました。勝点3を取らなければいけない試合。無事に取れてホッとしています」

 そしてこの試合のターニングポイントになったと言える、興梠につなげた渾身のスルーパス――。酒井は「託すようなボールだった」と振り返る。

「慎三さんがあのような抜け出しをしてくれると分かっていました。あとは僕のタイミング。1本目はオフサイドで、2本目はためておいて、そこから点に絡めて良かったです。ただ慎三さんだけしかゴールを取れるイメージを描けずにいた展開で、託すようなボールでした。結果的にPKを誘発してくれて良かったです」

 そして、右サイドにいる酒井にも常に届いた浦和駒場を包んだ大声援。大きな力をくれたと、レッズサポーターに感謝していた。

「90分を通して、失点した時を含めて、大きな声をくれました。ホームでの彼らの声援が、大きな力をくれたのは間違いありません。今日は本当にいい雰囲気だったと思います。(試合終了直後は?)長かった勝点3だったので、みんなで大事に味わいました。この勝利を忘れず、一歩ずつ進んでいきたいです」

 このあと8日にはルヴァンカップのグループステージ初戦・湘南ベルマーレ戦が組まれ、11日にはリーグ戦で3連勝中のヴィッセル神戸に挑む(いずれもアウェーゲーム)。

「途中出場の選手が活躍し、ピッチに立った選手みんながいいパフォーマンスを出してくれています。ルヴァンカップに出るモチベーションもすごく高まっている。そうやってチームは強くなっていけます。僕自身ルヴァンカップは、ACLとともにまだ獲得していないタイトル。その二つは自分にとってすごく大切な大会です。そこにも、こだわっていきます」

 2試合連続フル出場とコンディションも上がってきたという酒井が最終ラインを支え、そして浦和をより強いチームへと引き上げる。

Posted by 塚越始