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「あとは俺がやってやる」槙野智章が感じ取った奇跡の予兆。浦和、川崎を破りルヴァン杯4強進出

ルヴァン杯川崎戦のあとオンライン取材に応じた浦和の槙野智章。協力:川崎フロンターレ

1-3からのユンカーの一撃で蘇り――。

[ルヴァン杯 準々決勝 2nd] 川崎 3-3 浦和/2021年9月5日18:00/等々力陸上競技場
※2試合トータル4-4 アウェーゴールルールで浦和がベスト4進出

 ルヴァンカップ準々決勝の第2戦、浦和レッズの槙野智章が途中出場から土壇場の90+4分にゴールを決めて、この試合3-3、2戦トータル4-4として、アウェーゴールルールによりチームをベスト4に導いた。

 1-3で迎えた87分に途中出場の西大伍の魅惑的なクロスから、キャスパー・ユンカーが泥臭く執念のゴール。残り時間が短いものの、あと1点決めれば、浦和が大逆転という状況に持ち込めた。

 90+2分、まさにワンプレー……ワンチャンスにかけて、槙野がパワープレー要員で投入された。

「1-3になった時、選手の表情は少し沈んでいるようでしたけれど、キャスパー・ユンカー選手が点を決めたあと、みんなの顔つきからは『やってやるぞ。まだ、あきらめないぞ』という気持ちが感じられました」

 そのように振り返った槙野は、自分が主人公になる絵を描いていた。

「僕が入る時には、みんなのその(あきらめない)表情も感じ取り、『あとは俺がやってやる』という気持ちでグランドに入りました」

 浦和の背番号「5」は、ユンカー弾の流れから奇跡を起こせる予兆を感じ取っていた。

 槙野の流れの中でのパワープレーは成功例がこれまであまりないものの、セットプレーでの破壊力は高く大きな武器。今回も2本連続のコーナーキックを掴んだ流れで、アレクサンダー・ショルツが1本目シュート、2本目折り返しと“合ってきた”流れで――ショルツのクロス→ユンカーのヘッドを、GKチョン・ソンリョンが弾いたところ、槙野が詰めた。

 リカルド・ロドリゲス監督も語っていたが、槙野は指揮官から前日のミーティング後、第1戦の流れを受けて、先発での起用はないことを伝えられた。しかし展開によっては投入――最前線での起用もある、とスタンバイしておくように言われていた。

「厳しい内容のなかでも、最後のところで自分が出るであろうという流れになり、イメージはしていました。日頃の全体トレーニング後のシュート練習はJリーグでも3本の指に入るくらいやっていて、感覚と元FWのシュートセンスから生まれたゴールだと思っています」

 そのように、槙野はこの殊勲の一撃を喜んだ。指揮官も「奇跡を起こすことを考えていた」という全員の想いが結実した。

 準決勝はセレッソ大阪との対戦に。第1戦は10月6日にホーム、第2戦が10日にアウェーで行われる。

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[取材・文:塚越始]

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