W杯まで3週間、本田圭佑が課題に挙げた守備陣と攻撃陣の意識のズレ
日本代表の本田圭佑 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
守備陣は「ポジティブ」、攻撃陣は「ネガティブ」。
[キリンチャレンジカップ] 日本 0-2 ガーナ/2018年5月30日/日産スタジアム
日本代表のMF本田圭佑(パチューカ)がガーナ戦で3-4-2-1の右シャドーで先発し、後半にセットプレーの流れから決定的なシュートを1本放ったものの決め切れず。なかなか目立てず、59分、岡崎慎司と交代した。
試合後、本田は淡々とゆっくりとした口調で振り返っていった。何かを訴えるようにではなく、自分自身に対しても確認するような感じだった。
「結果に関して言えば、もちろん勝たないといけない試合だと認識していましたし、負けたことに関しては言い訳はできない。一方で、内容に関してはゼロからのスタートで、個人的にはもちろん反省点はありますが、一定の手応えを感じる部分もありました」
本田はそのように初めての布陣であったことを踏まえて、反省点が出たことを含めて、それを収穫だと捉えていた。
一方で、「難しい部分があるんですよね」とも明かした。
2失点しての敗戦。いずれもセットプレーから決められたもの。その他は破綻した場面は少なく凌げていたとも言えた。一方、攻撃陣もチャンスはそこそこ作れていたとも言えるが、チームとしての「形」は見えなかった。
「後ろの選手と前の選手の感じ方や感覚に、微妙なズレがあって、後ろはポジティブなんですけど、前のほうが意外にネガティブに捉えている状況。そこを擦り合わせて作業が、ここからの3週間なるのかなと思います」
守備陣は「ポジティブ」、攻撃陣は「ネガティブ」。その異なる解釈に、本田はそこにチームをここから浮上させるためのポイントがあると捉えていた。
FIFAワールドカップ・ロシア大会は、日本が初戦を迎えるのは6月19日のコロンビア戦。それまでに2試合のテストマッチ(スイス戦・9日、パラグアイ戦・12日)が組まれている。
「最高の準備をしたい。まだ3週間あるとポジティブに考えていますので、必ず攻守において良くなると思います」
本田はそこで語気を強めた。日本代表を牽引してきた男も6月13日に32歳の誕生日を迎える。再びワールドカップの大舞台でインパクトを残すためにも、ここからの1日1日が勝負になる。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI