【鹿島】垣田裕暉、鳥栖戦は楽しみ「喜ばないゴール決めたい」。6年間のレンタル生活、「階段を一歩ずつ踏み飛ばさず、ここまで辿り着けた」
鹿島の垣田裕暉。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
高さを武器にスピードと足もとの技術も生かし、「相手DFを圧倒するようなプレーを見せたい」。
サガン鳥栖への期限付き移籍を経て鹿島アントラーズへ6年ぶりに復帰したFW垣田裕暉が1月15日に行われた2023シーズン新体制発表会で、鳥栖との対戦を楽しみにし、“あの”ゴールパフォーマンスをしたいと、鹿島サポーターに誓った。
187センチある25歳のストライカーはソシオ会員のサポーターの前で、ピッチ上とは異なる終始和やかな笑顔を浮かべて、鹿島復帰を喜んだ。
「このエンブレムのユニフォームを着ると身も心も引き締まります。(特長は?)ストロングポイントは、体は大きいですが、しっかり走ったり、戦ったり、チームのためにできるところです。チームのために戦って試合に出て、一丸となって皆さんと喜べる1年にしたいです」
そう抱負を語った垣田は、同日に行われた南葛SCとの練習試合で、右足インフロントにかけるミドルとゴール前で押し込む形で2ゴールを決めたという。2022シーズンは28試合・6得点を記録。徳島ヴォルティス時代の2020年には42試合・17ゴールと大活躍し、チームのJ1昇格にも貢献している。
質疑応答でサポーターから「負けたくないチームは?」という質問に、垣田は前所属の鳥栖の名前を挙げた。
「やっぱり鳥栖。昨年いたチームには負けたくないです。ゴールを決めて、あの喜ばないやつをしたいです」
そのように“喜ばないゴールパフォーマンス”をしてみせたい、と意欲を示した。
また新体制発表会後の取材対応で、垣田はレンタルされていた6年間について、次のようにツエーゲン金沢、徳島ヴォルティス、サガン鳥栖の3チームに感謝していた。
「金沢での3年間は柳下監督のもとJリーグでやっていくため、サッカー選手とはどうあるべきかという土台の部分を学びました。徳島、鳥栖では、戦術的な部分ではボールをつなごうとするスタイルのなか、動き出しやポジションどりを求められ、サッカーを勉強してきた感じが大きいです」
そして鳥栖のサポーターに向けて、「(おそらく鳥栖戦以外は応援してくれると思うが?)離れても応援してくれるのは有難いですし、まず、そのように応援してもらえるような選手になりたいです。ただ勝負ごとなので、元チームメイトには負けたくないです」と決意を示していた。
また様々なタイプのストライカーが揃ったなか、垣田は「空中戦では負けずポストプレーをこなすなど、大きい選手がやるべきことをやりつつ、体の大きな選手が苦手な走ったり、足もとの技術だったり、そつなくこなせるところを見せて、相手のDFを圧倒するようなプレーを見せたいです」と語った。
そして、優しく頼もしいFWは次のように熱い思いを口にした。
「鹿島でのプロ1年目は3試合しか出られずに通用せず、J2に行く決断を下しました。そこから一歩一歩階段を踏み飛ばさず、ゆっくり上ってきました。できることにしっかり取り組み、やっと鹿島に挑戦できるところまで辿り着けました。飛ばさず一歩ずつ来たのが自分の強みだと思っています。やってきたことを、一生懸命やっていきたいです」
鹿島でさらにブレイクなるか――。楽しみなストライカーが帰ってきた。