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【横浜FM-甲府】なぜオフサイド判定でOFRが実施されたのか?「3Dラインテクノロジー」もデビュー│富士フイルムスーパーカップ2023

オフサイドライン3D化の運用について、JFAが公開したトレーニングの様子。(C)SAKANOWA

チェック項目が多岐にわたり、約6分間の中断に。

[FUJI FILM SUPER CUP2023] 横浜FM 2-1 甲府/2023年2月11日13:35/国立競技場

 シーズン開幕を告げる『富士フィルムスーパーカップ2023』横浜F・マリノス対ヴァンフォーレ甲府の一戦、前半終了間際、ピーター・ウタカのゴールシーンがこの日大きな注目を集めた。

 44分、センターバックのエドゥアルド・マンシャが鋭い縦パスを放つ。これがトップ下の長谷川元希の足をかすめて、右サイドを駆け上がった鳥海芳樹へ。鳥海のマイナスの折り返しを、今季新加入したナイジェリア人ストライカーが冷静に沈めた。

 すると副審が旗を上げてオフサイド判定で一旦“ノーゴール”となった。そこでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)オペレーションルームでは、今季から導入されるオフサイドの「3Dラインテクノロジー」が登場する。

 さらに――。オフサイドでは珍しい主審がモニターでチェックするOFR(オン・フィールド・レビュー)により、一転ウタカのゴールが認められる判定となった。

 3Dラインテクノロジーでは、長谷川にボールが触れた瞬間(副審は長谷川がボールを触れたのを把握し、鳥海のオフサイドと判定していた)、まず鳥海と相手DFの位置をチェック。ここでギリギリ「オンサイド」であることが分かった。

 ただし、ボールには触れていないもののウタカが「オフサイド」の位置にいた。そのためウタカがプレーに関与したかどうか、VARから推奨された主審がOFRで、VTRを見て最終確認。これを受けて、ウタカのゴールが認められた。

 チェック項目が非常に多かったため、約6分間の中断を余儀なくされた。

 5万人を超える観客が来場した国立競技場での大画面では、「オフサイドの可能性」とのみ表示されていた。判定に使われた3Dラインの映像を会場で映し出すのか、それができなければ、どのような点をチェックしたのかをアナウンス(説明)するなど、中断が長引いた際には工夫も求められそうだ。

 試合は2-1で横浜FMが勝利を収め、この大会を初めて制した。

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