【カタールW杯冬季開催】Jリーグは前倒し? 12月にクライマックス?
2022年カタールW杯のスタジアム完成予想図(FIFA公式サイトのメディアリリースより)。
2022年は初の11月開幕。ルヴァンカップ決勝はいつか、ACLは23年までずれ込む可能性も!?
FIFA(国際サッカー連盟)は7月13日、ワールドカップ(W杯)カタール大会の開催期間を、2022年11月21日から12月18日までにすると発表した。同国の夏の猛暑を考慮し、初めてのW杯冬季開催となる。
ではJ1リーグの日程はどうなるのか? カタールW杯の正式な開催期間が決まったことで、今後、協議と調整が始まるが、W杯本番への約1か月の準備期間を考えると、10月末か11月上旬にはリーグ戦を中断、または終えなければならない。
まず考えられるのが、10月末か11月上旬までに全日程を終えるスケジュールだ。ただ現状で考えると、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)、ルヴァンカップの決勝は例年この時期(10月下旬~)に組まれており、さらにJリーグ最終節まで組み込むとなると、かなりハードな日程になる。どのようにビッグマッチを散らして、それぞれのコンペティションを盛り上げるかもポイントになる。
まずはACLの日程が決まるのを待つことになりそうだ。例えばクラブ・ワールドカップ(CWC)が特別に従来W杯が開催されていた夏季などに移行されることになれば、ACLの試合も弾力的に翌2023年まで散らされるかもしれない。そうなれば、J1の試合もある程度余裕を持って組める。
また、カタールW杯が閉幕したあとの12月18日以降に、J1の数試合を組み込む日程も検討されるか。10月末で全日程を終えると、天皇杯に敗れているJ1クラブのオフ期間が長くなってしまうデメリットが生じる。また今回のロシアW杯のように、多くの人がサッカーに関心を持ったなか、クライマックスを迎えるというシチュエーションを作れる。
もちろん、その日程だと、2022年は12月24日(土)~25日(日)、30日(土)~31日(日)しか年内の週末がない。それはそれでやや非現実的なスケジュールで、海外代表組の合流などを考えると難しさがある(優勝や残留、ACL出場権獲得が懸かっていれば、むしろ喜び勇んで戻ってくるか)。それにJリーグのクライマックスから、一気に天皇杯の元日決勝(現行の日程であればだが)までサッカー熱を継続できるメリットも挙げられる。
加えて、J2から代表選手が選ばれた場合、最も重要な時期に中心選手を欠くことになり、そのチームへの打撃は深刻。24、25日あたりにJ1・J2入れ替えの決定戦を入れるなど、やはり12月の残り期間をうまく生かしたいところか。
もちろん、まずは日本代表がアジア予選を突破し、7大会連続の出場権を得ることが前提の話だ。W杯参加国を32か国のままなのか、48か国参加にするかは検討課題となった。
Jリーグが春―冬制を貫いてきたメリットを活かせる機会とも捉えられる。一方、CWCやACLも関わってくるだけに、Jリーグだけ先行してスケジュールを決めるわけにはいかないことも把握しておきたい。今回のカタールW杯の日程決定とともに、日本サッカー界としてのまた新たな戦いもスタートする。
文:サカノワ編集グループ