激震!ユニオン・ベルリンのケラー監督解任。内田篤人が語っていた「最後に拾ってくれた」恩師への想い
4位のユニオン・ベルリンがまさかの監督交代。内田の恩師が退団に……。(C)SAKANOWA
監督交代が内田にとってネガティブだと捉えるのは早計だ。
激震が走った――。ブンデスリーガ2部のユニオン・ベルリンが12月4日、チームを率いていたイェンス・ケラー氏の解任と下部組織のU-19チームを率いていたアンドレ・ホフシュナイダー氏のトップチーム監督昇格を発表した。チームは最近3試合勝ち星がなく、16節現在、7勝5分4敗の勝点26の4位。最近3試合勝ち星がなく、昇降格入れ替え戦枠3位のニュルンベルクと勝点3差、自動昇格圏の2位デュッセルドルフとは同5差だった。
内田篤人がユニオン・ベルリンを選んだ理由のひとつがケラー氏の存在だった。2012年からシャルケを率いていた同氏のもと、右サイドバックのレギュラーとして活躍。リーグ戦では常に上位で戦い、UEFAチャンピオンズリーグにも臨むなかで信頼関係を築いた。
昨季就任したケラー氏はさっそくユニオン・ベルリンを4位に導いた。そしてブンデスリーガ1部昇格を具体的な目標に見据えた2017―18シーズンの開幕直後、内田を獲得した。
肉離れなどで戦列を離れた時期もあったが、再び徐々にコンディションを高めていた。ケラー氏も内田のベンチ入りを示唆していた矢先、まさかの監督交代劇となった。
今季最後のベンチ入りしたレーゲンスブルク戦のあと、内田はケラー氏について、次のような”想い”を語っていた。
「俺の性格も、プレースタイルも、知ってくれている。良い時の自分を知ってくれているから、使いどころを、ある程度は見極めてくれていると思う。監督とはシャルケでやって、最後に拾ってくれた形だから。ただチャンスがほしい」
シーズン序盤からユニオン・ベルリンは好調を維持していた。その勝ち続けているチームにDFが割って入るのは難しいと、「そこは覚悟していた」。ただし「俺は時間との戦いもある」と複雑な胸のうちを明かしていた。
とはいえ、ホフシュナイダー氏への指揮官交代が内田にとってネガティブな要素だ、と捉えるのは早計だ。もちろん下部組織からの指揮官登用を考えると、若手選手に期待していることが伺える。ただしチームが昇格圏にいた一時期の勢いを失い、スタイルを見失いかける今、幾多の修羅場を潜り抜けてきた内田の様々な力が再浮上への鍵を握るかもしれない。むしろ再び昇格圏への再浮上を狙うためには、内田の経験値は不安定なチームに必要とされるはず。
年内は12月9日のディナモ・ドレスデン戦(ホーム)、15日のインゴルシュタット戦(ホーム)、23日のキール戦(アウェー)の3試合を残すのみ。新チームと内田の動向がしばらく注目を集めそうだ。
取材・文:塚越 始
text by Hajime TSUKAKOSHI