【鹿島】3バックの奇襲、岩政監督「一切準備していなかった」。京都相手に攻撃の厚みを出せずスコアレスドロー
鹿島の岩政大樹監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「相手どうこうというよりも…」
[J1 19節] 鹿島 0–0 京都/2023年7月1日18:00/カシマサッカースタジアム
J1リーグ19節、鹿島アントラーズ対京都サンガF.C.戦はスコアレスで引き分けた。鹿島はリーグ2試合未勝利(1分1敗)、京都は連勝ならず。
鹿島は京都のセカンドボール対策などの動きに応じて、後半途中から何度かシステムを変更。74分の昌子源投入後は、左から関川郁万、昌子、植田直通という3バックを形成し、中盤から前に人数を増やした。しかし選手たちの意思は噛み合わず、そこからチャンスも作り出せなかった。
岩政大樹監督は試合後の記者会見で、「流れを見てではなく、事前に準備していたもの(3バック)を出したようだったが?」という問いに「一切、準備していなかったです」と、3バックは奇襲であったと明かした。
「準備していないです、一切。準備していないですし、練習もしていません。しなくてもいいものしか採用しません。十分それで対応できると思って、使いました」
相手がギャップを突こうとしていた狙いは潰せた。ただし、攻撃の迫力は生み出せなかったとも課題を挙げた。
「相手が使う間(ギャップ)に関しては、そこを抑えることができました。ただ攻撃のところで、前への迫力を出せなくなってしまいました。そのあたりは人選を含め、いろんなやり方を少し振り返りたいと思います」
そして前節から荒木遼太郎ら4人先発を入れ替えた。その意図を指揮官は次のように語った。
「ケガ人などの状況でフォワードがいないこともあり、4-4-2だけではない攻撃の形を作っていきたい思いはありました。荒木自身も前節の後半にいい姿勢でプレーしていました。起用するタイミングだと、先発させました。前半に見せた彼の姿勢、ボールへの関わりは、ポジティブな要素だったと思います」
また、岩政監督によると、58分から土居聖真と名古新太郎を2シャドーで投入し、この時点で一度3バックにした。そして相手に対応されてきたため、藤井智也の投入のタイミングで再び4-2-3-1に。さらに「疲労の見えた選手たちをどうするかを考えて」、74分の昌子と広瀬陸斗の投入で、再び3バックにした。
「相手どうこうというよりも、さらに攻撃の厚みを出すためにでした。常本の守備力備力でかなり抑えることができていたが、そこへ(広瀬)陸斗を入れることで右サイドの攻撃を活性化させたいと考えました。藤井と二人の良さを引き出したいと考えました」
「(最後は3-5-2に)今の時点では、上手くいったと思っています。こぼれ球のところでは、中盤のズレによってピトゥカや(土居)聖真がボールを拾い、攻め込まれずにできました。ただ、分析したうえで振り返りたいです。何か問題があって3バックにしたのではなく、ピッチに出た選手の組み合わせをどうするかで決めました」
岩政監督はそのように選手個々の特長を生かすための3バック採用だったと説明した。